それは
猫をまねると自然に身についてくる

猫と犬との違い。
犬は人に食べさせてもらい保護してもらっているから、人を神だと考える。
猫は人に食べさせてもらい保護してもらっているから、自分を神だと考える。(アイラ・ルイス/俳優)

「自信」は、猫が生まれつきもっているものである。
 自信がなくて内向的な猫なんて、誰も見たことはないだろう。
 猫は誇り高く、何より自分が一番だとよくわかっている。
「一番かもしれない」と思っているのではなく、「一番だ」とはっきり知っているのだ。
「自分が最高かどうかは“思っている”時ではなく“知っている”時だ」というではないか。
 これが自信をもつためのテクニックだといえる。
 一見ささいなことのようだが、実は大きな違いだ。自信というのは、自分の能力や才能、価値観、そのほかにもっているものすべてを正確に見定めて、それを受け入れ、好きになるところから始まる。
 言いかえれば、本来の自分が好きになれずに、別の姿に見せようとすると自信がなくなるということだ。
 猫は自分から人に近づいてくる時、
「私のこと、今日も好き?」
 ではなく、
「私のこと、今日も好きでしょう」
 という態度を見せる。
 猫をひざにのせたり、なでたりしたくない人間はいないという確信に満ちている。
 
 この自信には、たぶん理由なんてないだろう。
 しかし、こうした自信が逆に彼らにオーラやカリスマ性、魅力を与え、猫が愛される理由の一つになっているのは確かだ。大した理由もなしに他人が自信をもって振る舞っているように見える時、自分には自信がないと思い込んで悩んでしまう人が多すぎる。そう、自信をもつためにはまず、とりつくろわない本当の自分を好きにならなければいけないし、可能な範囲で自立していて、「なんて言われるだろう」などと他人の目を気にすることからも解放される必要がある。自信をもつということは、ただの漠然としたイメージではない。
 それは毎日をよりよく生きるために必要な能力で、訓練で身につく種類のものだ。

 自分に自信のある人は「注目」を集め、「自由」で「カリスマ性」を帯びている。
 こういう人はたいてい、幸せな人たちだ。
 その人たちは大なり小なり、自分の努力で時間をかけて自信を作り上げていったのだ。
  この能力を最初からもっているのは猫だけなのだから、まねしてみたら本来の自分になれるかもしれない。