中国が突然“クリエイティブ”に!「メイカーフェア深セン」で見た異変世界最大、アメリカの「メイカーフェア・ベイエリア」の様子。コカコーラZEROにメントスを入れて強烈に発泡する仕組みを使ったパフォーマンスや(左)、巨大な構造物が火を噴くなど、大企業や研究機関で行われるのとは別の種類のクリエイティビティにあふれるイベント

 Kickstarterなどで見られるメイカー発新製品の開発の多くが深センの恩恵を受けている。世界中のメイカーたちに開発キットを販売し、プロトタイプの製造をオンラインで請け負っているのは、これまで何度か登場してきた深センのSeeedという企業だ。

 2008年にエリック・パンが創業したSeeed(当時の会社名はSeeed Studio、のち拡大に伴いStudioを外してSeeed)は世界のメイカーを相手に順調にビジネスを拡大し、2011年にメイカースペース「柴火創客空間」を設立し、翌2012年に中国で最初にメイカーたちの祭典「メイカーフェア」を深センで開催した。

 創業者のエリック・パンは1983年生まれ。重慶大学でエレクトロニクスを学び、インテルチャイナに入社したが、研究開発でなく品質管理の部署に配属されたこともあり1年で退社し、ヒッピーのような生活を数年過ごした後、深センでSeeedを創業した。

 世界のメイカーに向かって深センの製造サービスをオンラインで提供するSeeedのビジネスは成功し、現在は200人を超える社員を抱えている。

 深センにはさらに大きな企業はいくらでもあり、社員数万人のテンセントや数十万人のHUAWEIといった企業群に比べるとSeeedははるかに小さい。一方で深センのDIY発明ブームを作り続けてきた中心にいたのは、間違いなくSeeedであり、世界的なムーブメントを受けて、深センの市政府もこのボトムアップからの動きをサポートしようとし始めたように思える。

中国が突然“クリエイティブ”に!「メイカーフェア深セン」で見た異変筆者とエリック・パン(右側)。Seeedオフィスにて(2015年撮影)