借金の本質
里和社長は、計3億円を銀行に払って、経営を立て直すために、3年間の時間を買った。これが借金の本質です。
その後、里和社長は借入れをさらに増やしています。
いまは長期借入金が84億円で、うち47億円は使わずにキャッシュで持っている。
47億円はいつでも返せますが、あえて金利を払って借り続けています。
借金は金利で時間を買うことだと身をもって理解したからです。
考えてみてください。
利益が出ても、その半分は税金で国に納めます。
ならば、その税金を金利の原資にして借入れし、キャッシュを増やせばいい。
国に税金を納めるのは、とても立派なことです。
しかし、会社がピンチのときに税務署が助けてくれるわけではない。
いざというときに頼りになるのは、国ではなく「キャッシュ」です。
同じお金を払うなら、借金の金利として払ったほうが会社のためになります。
700社以上を診てくると、残念ながら、100人中99人が陥る「アリ地獄」があります。これは面白いほど共通しています。
ぜひ、第1回連載にある、ひとつでも当てはまったら危ない!【あなたの「会社の危険度」10のチェックリスト】をチェックしながら、『数字は人格』を体細胞に植えつけていただけたらと思います。