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デジタル時代を勝ち抜くための ビジネスリスクマネジメント

リスクの考え方
現場と経営とのギャップを越える

上原 聖
【第2回】 2017年12月28日
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 では、なぜこのような要因が発生するのであろうか。それは、企業の組織構造に起因することが多いと考える。つまりは、多くの組織では、取締役会(BOD: Board Of Director)を頂点に、CEO(Chief Executive Officer)などのCレベルの業務執行責任者が配置され、その配下に各々の事業責任者や管理責任者が任命される。

 例えばIT分野では、CIO(Chief Information Officer)が配置され、その配下にシステム責任者(システムリスクオーナー)、セキュリティ責任者(セキュリティリスクオーナー)などが任命され、その責任者の配下で担当者がPDCAサイクルを管理運営することになる。

 その結果として、トップダウンの統制(縦方向の統制)は効果的に機能するものの、責任者や担当者の管理範囲を超えた活動、すなわち、横方向の統制に関しては、弱体化してしまう傾向がある。

 インターネットが爆発的に普及する以前、別の言い方をすると、ITについては情報システム部門の範囲内で管理可能な時代であれば、このような組織構造でも大きな問題は発生しなかったであろう。しかしながら、インターネットの業務利用が急速に進むことで、ユーザ部門でも容易にWebベースのシステム導入が可能になり、また、多くのクラウドサービス事業者の存在やネットワーク網の高度化により、データのやり取りも容易になった。

 この時代背景に呼応する形で、多くの規制が設けられたことで、今では情報システム部門だけでなく、コンプライアンス部門、リスク管理部門、内部監査部門などが横連携しないとリスクマネジメント活動が追い付かない時代になっている。

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デジタル時代の目に見えないリスクをどう捕捉するのか。経営の実務に資する「リスクマネジメント」について、調査結果や事例を交えながら解説する。

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