会社のことは、どれだけ事前調査をしたらいいのか

  会社説明会に出席すると、本番の試験の前に、必ず会社案内のパンフレットが渡される。
  ここにも、その他大勢の志望者が陥る落とし穴が隠されている。
  パンフレットの読み方についてである。

  つい、自分の憧れの会社なものだから、思い入れいっぱいで、暗記するほど、読み込んでしまうのだ。
  志望動機を言うとき、いきおい、会社案内やホームページに書いてある言葉を使ってしまうのだ。

  「生活者の視点に立ってものを見つめる」「ライフデザインを提案する」「人と人とを結ぶ」
  といった、企業のスローガンを、そのまんま、自分の志望動機にしてしまう人が、10人中9人はいる。

  残りの1人は、パンフレットやホームページを読んでなかった人だ、というぐらい多い。

  志望動機の中に、企業のスローガンを入れなければいけないと、頭から思い込んでいるからなのだ。

  志望動機を言うとき、パンフレットやホームページに載っている言葉は、いっさい使わない。
  企業のスローガンと、志望者の志望動機が一致している場合、有利になるか。
  有利になんかならない。

  志望者のほとんどが使うということもあるし、結局、他人の言葉は残らないということなのだ。

  就職情報サイトなどに載る各企業の人事部長の『こんな人材が欲しい』という記事を、そのまま丸暗記して、志望動機にしている人がかなりいる。
  みんな自分くらいはと思ってるのだが、同工多数なのだ。
  その会社に媚びれば、同工多数になるのが当たり前なのだ。

  一般に君たちは、好かれようとするあまり、媚びてしまう傾向にある。
  「では、いっさいその会社について調べないほうがいいのですか」
と食い下がる人がいる。
  もちろんそんなことはない。