呼吸器専門医の池袋大谷クリニック院長・大谷義夫医師は、以下のように語る。

「タバコの煙は、吸っていない家族の健康をも害します。ヘビースモーカーの夫をもつ奥様が、タバコと因果関係の強い肺癌(扁平上皮がんや小細胞がん)を発症してしまったケースもありました。寒くなってきたので風邪やインフルエンザをきっかけに、咳喘息を発症される方も多くいらっしゃいます。この咳喘息も、ハウスダストやダニのアレルギー、大気汚染だけでなく、御本人および御家族の喫煙も関係します。また長年の喫煙は、肺の組織を溶かしていき、その結果、肺機能が下がるCOPD(肺気腫)という病気も発症させますので注意が必要です。酸素を吸入しながら歩行されている患者様の中には、多くのCOPDの患者様がいらっしゃいます。

 そして、タバコは動脈硬化にも関与し、心筋梗塞のリスクファクターになるものです。また、肺癌だけでなく、舌がん、喉頭がん、食道がん、胃がんなど多くの癌の発症にも関係します。70代よりも60代、60代よりも50代、50代よりも40代とより早期に禁煙してくださった方が長生きできるというデータもありますので、もう遅いと思わないで、禁煙していただければ幸いです。

 長引く咳、気になる咳、息切れを認めた場合は呼吸器内科を一度受診してください。禁煙がご自身で難しいと思う場合は、禁煙外来にて禁煙のお手伝いをさせていただきます。以前はニコチンのパッチやガムだけでしたが、タバコの味を変える薬も保険にて治療で処方させていただきます。これは、保険治療の3割負担が適応される患者様で、3ヵ月の治療期間にて、合計2万円前後です。タバコ代よりもずっと安くなりますので、是非とも御検討ください」

取材を終えて

 私の主宰する財団法人 日本ヘルスケアニュートリケア研究所ではいろいろな医師と健康に関する研究を進めています。禁煙された方に取材をすると「人間関係がよくなった」「良く寝られるようになった」「イライラしなくなった」「性格が優しくなった」「顔つきが優しくなった」などの声を聞きます。それらの効用を実感するためにも禁煙にトライしてみてください。

(医療ジャーナリスト J&Tプランニング 財団法人日本ヘルスケアニュートリケア研究所代表 市川純子)


※編集部からのお知らせ※
来年2月より、当連載の著者・市川純子さんの新連載「気はやさしくて胃痛持ち」(仮題)が始まります。いろんな職場のいろんなビジネスマンのいろんな悩みと不調が少し悲しく少しおかしく紹介されます。どうぞお楽しみに!