「お金持ちになりたい」「小説家になりたい」「いつか自分のお店を持ちたい」……そんな夢をひっそりと抱いている人もいるのではないだろうか。一方で「自分にはどうせ無理」とはなから諦めてしまっている人も少なくないはずだ。しかし、コーチングスクール「ホリシニクスアカデミー」学長で、1分朝活グループを主宰する三宅裕之氏は「毎朝1分間日記を書くだけで、奇跡のように人生が激変する」と提唱している。さらに、その際に「今の延長では実現しない未来を思い描き、日記に書いてほしい」と語る。今のままでは叶わない未来を日記で書くことが、一体どのような効果を生み出すのだろうか? 三宅氏の著書『奇跡が起きる毎朝1分日記』をもとに、その理由を解説する。(文/神代裕子、ダイヤモンド社書籍オンライン編集部)

「今の延長線上にない夢」を日記に書くとどうなる?
「小説家になりたい」「海外で暮らしたい」
このように「どうせ叶わない」と思いつつも、長らく抱えている夢はないだろうか。
口に出すのは、友人同士で「宝くじに当たったらどうする?」といった“もしも○○したら”という夢物語を語る時だけ。そんな大人は少なくないと思う。
しかし、三宅氏はそんな「今の延長線上にない未来を想像する」ことを推奨しており、「それを日記に書いてほしい」と語る。
叶うと思えない夢を日記に書くことで、一体どのような効果が得られるというのだろうか。
「毎朝1分日記」の効果とは?
その前に、三宅氏が提唱する「毎朝1分日記」について解説しよう。
これは、その名の通り毎朝1分で日記を書く取り組みなのだが、その際に書くことは次の2つだ。
・今日やりたい「チャレンジ」(挑戦したいこと、変えたいこと)(P.49-50)
三宅氏によるとほんの小さな「グッド」で良いのだそうだ。それは次のようなものだ。
・妻のチキンカレーがおいしかった、感謝
・彼が新しい髪型を「かわいいね」と言ってくれた
・7時間ぐっすり眠れた。日中すっきり
・デスク周りのそうじができた。私エラい
・部下の和田さんの強みを具体的にほめることができた
・娘が「シチューおいしい!」と言い、おかわりしてくれた
・読みたい本をひとまずネット書店のオンラインカートに入れた
・駅のエスカレーターを使わずに階段を上ってみた(P.52-53)
一方、「今日やりたい『チャレンジ』」については次のように語る。
もっともっと気軽にできること、たとえば「通勤経路で曲がったことのない角を曲がってみる」とか、「駅前の本屋さんで読んだことのない雑誌を立ち読みしてみる」といった、小さな小さな決意表明でも十分です。(P.54)
このように、「自分自身で書き込んだ今日のチャレンジを、毎日毎日達成し、それをグッドとして振り返ることで、自己肯定感はどんどん上がっていく」というのが「毎朝1分日記」の効果だ。
小さな一歩を毎日積み重ねていくことで、1年後、2年後に思わぬところまで進んでいける、というわけだ。
「今の延長線上にない夢」であることを自覚する
この毎朝1分日記は、前述した2つのことを書き続けるだけでも効果はあるそうだが、「今の延長線上にない未来を想像し、それを書き留めておく」こともお勧めなのだそうだ。
この場合、「今いる会社の社長になる」というチャレンジは、大きな夢であっても日常の延長線上にあるもの。
そのため、「起業して億万長者になる」「セミリタイアして田舎暮らしを始める」「パン屋さんを開店する」など、日常から離れた夢を書いておくことを三宅氏は推奨している。それはなぜか。
つまり、同一線上にない夢であるため、その夢を叶えるためには、その線上に行くための努力や行動が必要というわけだ。
ここで初めて、あなたは「今のグラフ上にいる現在の自分」と、「なりたい人生のグラフ上にいるあるべき自分」のギャップを意識することができます。結果、チャレンジすべきことが可視化でき、これまでにないほどの努力を始められるはずです。(P.81)
ギャップを埋めれば、夢は叶う
確かに、今の自分のままでは辿り着けない場所に、本当の夢があるのであれば、そのギャップを埋める必要がある。
そこで役立つのが「毎朝1分日記」だ。
やるべきことが可視化し、それに向けて行動していけば、きっと今とは大きく違う未来が待っているに違いない。
三宅氏は、日記の力をフル活用することで、「やりたいことを次々と実現し、自分の人生を自らの意志で自由に設計していくことができます」と解説する。
このように考えると、日記がただの日記ではなく、自分の理想の未来を描いた「魔法の書」のようにも思えてくる。
夢を夢のままで終わらせたくない人は、ぜひ「毎朝1分日記」を始めていただきたいものだ。