フォニックスクイズをやってみよう

フォニックスを続けていれば、英語独自の音が次第に本人のなかに定着していきます。とはいえそれは、フォニックスの動画や音声を通じて、バラバラに覚えたものでしかありません。これをもう一度、体系的なかたちで学ぶ機会をつくりましょう。
子どもがフォニックスをどれくらい網羅的にマスターしているかは、アルファベット表の「大文字」「小文字」をランダムに指しながら、それぞれのフォニックス読みを発音させることで確認できます。
歌に合わせて頭から発音していくのではなく、バラバラの順番でもすぐに音がわかれば、お子さんのなかで文字と音がしっかり結びついているという証拠です。一方的にお母さん・お父さんが出題するのではなく、相互に問題を出し合ってクイズ形式にするなど、ゲーム性を持たせるといいでしょう。

文字と音の対応関係についての理解が深まると、子どもの脳は単語のスペルを見て音素を分析し、発音を再構成できるようになっていきます。子どもが知らない単語を見せて、「How do you read this?(どうやって読むでしょう?)」とクイズを出してみましょう。

(親) How do you read this?(WOLFの文字だけを見せながら)
(子) w... o... l... f...w-o-l-f... wolf?
(親) Yes! wolf, you're right! And this is a wolf.(オオカミの絵を見せる)
(子) Ah! I know wolf!

こうしたやりとりを通じて、「知らない単語も自分は読めちゃうんだ!」という自信を持たせましょう。ただ英単語を暗記させるのではなく、フォニックスの知識を使いながら自ら発音を“発見”させ、そのあとで意味を理解させるという順序を意識してみましょう。
わが子が未知の単語を読む姿を目にすると、親御さんもきっと感動すると思いますよ。そんなときはぜひ褒めてあげてください。

◆褒め言葉・励まし言葉
・ Wow! / Good job! / Wonderful! / Excellent! / Super!(すごいね!)
・ Good try! / I love how you tried!(がんばったね!)
・ Let's try one more time.(もう一回やってみよう!)
・ Why don't we try together, this time?(今度は一緒にやってみようか?)

※注:本記事の内容は『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』から抜粋・再構成したものです。記事中の参照文献・おすすめ教材などは、こちらのサポートページでご確認いただけます。
「世界最高の子ども英語」専用サポートページ
https://booksdiamond.wixsite.com/childenglish

【著者紹介】斉藤 淳(さいとう・じゅん)
J PREP斉藤塾代表/元イェール大学助教授/元衆議院議員。
1969年、山形県生まれ。イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。ウェズリアン大学客員助教授、フランクリン・マーシャル大学助教授、イェール大学助教授、高麗大学客員教授を歴任。
2012年に帰国し、中高生向け英語塾を起業。「第二言語習得理論(SLA)」の知見を最大限に活かした効率的カリキュラムが口コミで広がり、わずか数年で生徒数はのべ3,000人を突破。海外名門大合格者も多数出ているほか、幼稚園や学童保育も運営し、入塾希望者が後を絶たない。
主な著書に、『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)のほか、10万部超のベストセラーとなった『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『10歳から身につく 問い、考え、表現する力』(NHK出版新書)、また、研究者としては、第54回日経・経済図書文化賞ほかを受賞した『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)がある。