工業生産やサンプルづくりでは
恵方巻にも大量の廃棄が生じてしまう

 まず、店頭に並ぶ恵方巻の製造方法について現状を見てみよう。

 恵方巻には、手作業で手巻きするものと、生産拠点で大量に工業生産されるものとがある。

 食品ロスの観点から言えば、コンビニチェーンなど向けに工業生産される恵方巻が問題となる。

 つまり、食品を工業生産する場合、1回の製造工程ででき上がる量は膨大になる。その結果、どうしても大量のロスが生じてしまうのだ。

 例えば、ある米飯を提供する企業では「必要量の10倍以上もの米飯が炊き上がってしまい、余ってしまう」という話を取材で聞いた。また、缶詰など長期保存がきく加工食品の試作であっても、通常は、数千から数万単位ができ上がるという。

 次に、問題と思われるのは、チラシ制作終了後に廃棄される恵方巻がバカにならないほど多いということだ。

 我々消費者が手に取っている恵方巻などのさまざまな食品のチラシ。

 当然ながら、この写真を撮るためには、写真撮影用に試作しなければならない。撮影が終わったら、用済みだ。筆者が全国のスーパーマーケットの社員291名に聞いた結果でも、「スーパーチラシ制作における商品撮影時に終了後廃棄」という現場の声があった。

 飲食店の一例で考えれば、「失敗作」の廃棄がある。「野菜の切り方を間違えた」「オムライスの卵が綺麗に仕上がらなかった」「客の注文したものと違うものを作ってしまった」など。

 チラシ制作においては何よりも“見栄え”が重視される。チラシに掲載されるまでには、綺麗に仕上がらなかった恵方巻もあるだろう。

 試作されるサンプルは、チラシの撮影だけでない。

 食品メーカーがスーパーマーケットやコンビニエンスストアに商品を入れてもらうための商談では、新商品のサンプルを持ち込む。毎年、春や秋に全国で行われることの多い新商品発表会や食品展示会では、試食やサンプルが配られ、余ったら廃棄することが多い。