「節分の日」に全国で一斉販売される恵方巻を例に考えれば、「サンプル」として役目を終えた恵方巻、「失敗作」に終わった恵方巻が廃棄される量は膨大なものになるだろう。

 加えて、食品企業の多くは、毎日、製造される食品の検査を行っている。製造ラインから抜き取り、製品の一部を使って官能検査などを行ない、残りは廃棄することが多い。

 この食品検査後に廃棄される商品も全国規模で考えれば、見過ごせない量であろう。

 もっとも、検査品の残りについては、ある企業のように、冷凍してフードバンク(*)に寄付するケースも出始めており、筆者としてはこのような活動が徐々に広がることを期待している。

(*)フードバンクとは、賞味期限接近など、商品としては流通できないが十分に食べられる食品を引き取り、食品を必要とする組織や個人へ届ける活動、もしくはその活動を行う組織を指す

“悪しき”商慣行の3分の1ルール
賞味期限・消費期限より手前で廃棄

 恵方巻に限らず、そもそも「食品ロス問題」の視点で見ると、賞味期限や消費期限については、食品業界には“悪しき”商慣行がある。

 それが「3分の1ルール」と言われるものだ。

 3分の1ルールとは、賞味期間全体を3つの期間に均等に分割し、製造から最初の3分の1が「納品期限」。納品期限からさらに3分の1で「販売期限」。販売期限が来たものは棚から撤去される。

 このルールを運用すると、まだまだ食べられる商品であっても廃棄される食品が増えてしまう。

 在庫が回転しない、つまり、あまり売れない日持ちする飲食品については、メーカーに返品されるケースもあると聞いているが、多くは棚から撤去されれば廃棄されてしまう。

 一部の小売店(スーパー・コンビニ)では、棚から撤去したものを前述したフードバンクに寄付する取り組みがあるが、全国的に見ればまだまだ少数だ。