税制メリットが1つでも
「つみたてNISA」が向いている人もいる

 では、属性や年齢、性格を切り口に「どちらが向いている」のかを見ていこう。

◆A.30~40代の会社員・公務員
 →「iDeCO」がいい。

 掛け金が所得控除の対象となり、給料にかかる所得税・住民税が安くなることは大きなメリットだ。

 特に保育園に通う子どもがいると、メリットがさらに高まる。一般的に公立の保育園の保育料は、住民税をもとに決まるため、翌年の住民税が安くなると、連動して保育料も安くなるのだ。

「iDeCO」の掛け金の節税額は、所得税については年末調整に上乗せされて戻ってくるが、住民税は翌年5月からの給与天引き分が「薄く」安くなる仕組みだ。ほっておくと何となく使ってしまう可能性が大きいので、年末調整のときに戻ってくる所得税と翌年の住民税をまとめて「貯める仕組み」を作っておこう。

◆B.50代の会社員・公務員
 →「つみたてNISA」がいい。年齢制限がなく、自由度が高いから。

「iDeCO」の積立期間は60歳まで、積み立てた資金を受け取るには10年以上の加入期間が必要となる。50歳を過ぎてから加入し、期間が10年に満たない場合、最長で65歳まで資金を引き出すことができない。

 60歳を過ぎると掛け金を出すことができないので、所得控除の税金メリットは受けられなくなるが、加入期間の要件を満たすためにお金の運用を続けることになる。つまり、60歳以降は所得控除の節税メリットがないうえ、金融機関に支払う手数料分、運用で増やさないとその分目減りしてしまう。

 50歳を過ぎ、はじめて資産運用をする人は「iDeCO」は大きなメリットはないように思える。年齢制限がなくシンプルな仕組みの「つみたてNISA」で、資産運用の練習をはじめるといいだろう。

 今、年収が高い人なら、60歳までの間の節税メリットを享受すると割り切って「iDeCO」を利用するのも一法だ。