2つめは、コンテキスト(context:状況)です。消費者の生活のどういう問題を解決したいのかという「情報」になります。3つめは、コンテンツ(content:内容)であり、商品そのものの「情報」、そして4つめはコミュニティ(community)で、他社はお客の問題を解決するために何をしているか、という「情報」になります。

 今ではcommerce以外のCがcom-merceと同じぐらい重要になってきているのです。

──具体的に小売業は、どのような転換の努力をすべきでしょうか?

ブライアン 図1を見てください。従来のビジネスモデルにおいて、小売業の本部は真ん中に位置していました。次にお店があって、一番外側に消費者がいました。

以前の小売業のビジネスモデルは本部が中心だった。しかし、新しいビジネスモデルの中心は、さまざまなところから消費者に届く「情報」。円の外側にいかに「情報」を届けるかが最善策となる

 以前のシステムやプロセスでは、「情報」はすべて本部に集約されていて、決定権も本部にありました。店舗にも少しは決定権が与えられていたかもしれませんが、基本的には本部に集約されていました。そして、消費者は物を買うことしかできませんでした。

 しかし、新しいモデルでは「情報」はどこからでも出てくるし、逆にその「情報」が本部にフィードバックされています。

 この図でいうなら、消費者はウォルマート以外にもアマゾンやターゲット、その他さまざまな所から「情報」を得るわけです。たとえば消費者が「この金額は払いたくない。ターゲットやウォルマートのほうが安い」となると、店舗はその金額に合わせざるをえません。したがって、新しいモデルにおいては「情報」を図の円の外側まで届けるのが最善の策と言えます。

 消費者はどんな「情報」でも入手できるので、小売業は消費者が求めている「情報」をきちんと提供することが重要になります。もし、ウォルマートがその「情報」を提供しなければ、ほかの誰かが提供することになるからです。

 それを実現するのがクラウド・コンピューティングでしょう。「情報」と商品が分離しているので、その「情報」をどうやって決定権を持っている人(=消費者)に届けるかが重要になります。昔のモデルではそれが本部にありましたが、今は消費者 にあるということを常に忘れないことでしょう。