脈ありかどうかは相手の姿勢で判断せよ

 商談や交渉をしているときに気になるのは、相手の気持ちが「イエス」「ノー」どちらの方向に傾いているかではないでしょうか。たとえ口には出さなくても、しぐさを丁寧に読むことで相手のホンネはつかめてきます。

 まず話を聞いているときの姿勢に注目してください。

 定位置から前のめりになっていたなら、相手が関心を持っている証拠です。人には興味があるもの、好ましいと感じるものに近づきたいという特性があります。口ではどんな態度を取っているにせよ「やってみたい」という気持ちがあるから、ついつい前のめりになってしまうのです。

 おそらくその時には、手や身体の動きといったしぐさからも「イエス」というメッセージを無意識のうちに発しているはずです。

 たとえば、手のひらを相手側に見せる。手を大きく広げて机の上に置くといったしぐさは、相手がリラックスしている状態を表します。警戒をといて話を積極的に聞こうとしているのです。 

ボディランゲージでわかる感情の動き

 互いの間におかれていた書類などを片付けるのも、ポジティブな動きです。

 このときの書類とは、互いを隔てる障害物。それを自ら取りのぞくわけですから、相手はこちら側に興味を持ち、好感度が上がってきたとも考えられます。

 あごを手でさするという動きもそうです。手のひらを見せることと同じく、満足していることを示しています。これらのしぐさを相手がしていたなら、話はいい方向に進んでいると判断して良いでしょう。

 逆に、どうも分が悪いという状況もあります。

 同じあごに手をやるのでも、両手で支えるしぐさは「不満足」や「不愉快」をしめします。頬杖の変化形ともいえますが、相手はあなたの話に関心を持っていません。

 頭の後ろで手を組んで、上半身をゆらゆらさせている。あまりにも分かりやすい退屈な素振りですが、これは関心がないだけでなく、こちら側を見下しているしぐさです。無理矢理に話を続けるよりも、いったん仕切り直したほうが無難です。

 どんな行動をとるべきか、しぐさから読みとって、一番良い環境で説得することこそが結果を生んでくれるのです。 

雑談力で相手の心は深掘りできる

 人は安心できる人の前では無防備になります。口には出さないまでも、見た目にホンネが現れやすくもなります。言い換えると、相手との間にある心理的な壁が低ければ低いほど、ホンネは読みとりやすくなるということです。

 そこで活用したいのが雑談です。

 仕事の話になるとなかなか心の内を見せない相手も、ちょっとした雑談にはホンネをもらしてしまうことがあります。人となりや相手の思考パターンも見えてくるので、急所もつかみやすくなります。

 もし、ある程度の好感度を相手から得ることができれば、その次に、雑談ができる関係をつくっていきましょう。相手のことを知れば知るほど、相手の急所はつかみやすくなります。すると、相手の見た目にあらわれる反応からわかるホンネも、より深いところでつかむことができるようになります。

 


この連載の内容がさらに詳しく書かれた
『人を動かす心理学』絶賛発売中!

 

 

どうすれば、上司や取引先からイエスと言ってもらえるのか。
人を動かす基本は、人に好かれること。好かれてしまえば、仕事の9割はうまくいったも同然。
人間の深層心理について平易にユーモラスに解説する書籍で多くのファンを持つ著者が、相手から信頼され、好かれるために必要な人づきあいの基本スキルを解説。

 

ご購入はこちら!⇒[Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb] [楽天ブックス