「出っ張っていて、多くの人が触るところ」が危険

風邪をひいているAさんが、鼻や顔の周りを触ることで、手にウイルスが付着します。
その手でつかんだものには、ウイルスが付着します。
Bさんがそれをつかむことで、Bさんの手にウイルスが付着します。
Bさんが無意識に手で鼻や口の周りをさわり、ウイルスを吸い込んでしまう。
これが、接触感染を起こす一般的な過程です。

風邪の原因ウイルスとして最多の「ライノウイルス」が、手を介して感染することを検証した研究があります。あらかじめ感染者により汚染させた物体の表面を健康な若い成人に触ってもらい、その手で自分の鼻などの粘膜に触れさせる、という実験です。

その結果、ウイルスで汚染されたコーヒーカップの取っ手を触った被験者10人のうち5人が感染。同様に、汚染されたプラスチックのタイルを触った16人中9人が感染しました。 50%以上という恐るべき感染率です。

このライノウイルスは、人々がよく触る場所に多く存在する可能性が高く、とくに、出っ張っていて、かつ多くの人が触るところは要注意です。

たとえば、次のような場所はハイリスクだと言えます。

・会社の電気のスイッチ、共用のパソコン・電話、給湯室の蛇口、冷蔵庫の扉
・公共施設のドアノブ
役所に設置された共用のペン
・電車のつり革、階段の手すり
・ショッピングモールのトイレのウォシュレットのボタン 
など

これらの場所に行ったり、物体に触ったあとは、できる限り早く手洗い・うがいする必要があります。しかし、手洗い・うがいも、正しい方法を知らないと効果が見込めません。

『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』では、医療従事者がやっている手洗い・うがいの方法のほか、日常生活の中で風邪リスクを激減させる具体策を詳しく紹介しています。

仕事を休めないビジネスパーソンはもちろん、結婚式や旅行など重要なイベントを控えた方、受験生やその家族、妊娠中の方など、絶対に風邪をひけない方は、ぜひ本書の内容を実践し、肉眼で見えない風邪ウイルスと戦う正しい方法を身につけてください。