大学受験・公務員試験の小論文受験者必読。元NHKアナウンサーの超人気講師、新刊『落とされない小論文』の著者今道琢也氏が、小論文試験の頻出テーマを徹底解説。試験にそのまま使える「箇条書き」形式で端的にまとめます。(構成:今野良介)

「女性の活躍」は、公務員試験を中心に、マスコミ就職試験、経済・社会系学部の大学入試で出題されやすいテーマ。実用的な知識を頭に叩き込んでおきましょう。

「女性の活躍」の背景と現状

・2014年、政府に「すべての女性が輝く社会づくり本部」が設置され、女性の活躍を促すことが国の重要課題となっている

・2016年に「女性活躍推進法」が全面施行。国や地方公共団体、民間事業主が女性の採用比率や労働時間の状況などについて把握し、改善を図ることが求められている

・出産、子育てを機に女性が一時的に仕事から離れる傾向を示す「M字カーブ」は解消されつつあるが、なお課題として残っている

・雇用されている人のうち非正規雇用の割合は、2016年時点で女性が55.9%、男性は22.1%。女性は、非正規雇用が過半を占めている
(『平成29年版男女共同参画白書』内閣府)

・男性の一般労働者を100とした場合、女性一般労働者の給与水準は73.0(2016年データ)
(『平成29年版男女共同参画白書』内閣府)

・女性の役職への登用は上昇傾向にあるが、まだ極めて低い水準にある。民間企業で、係長級の役職者のうち女性は18.6%、課長級では10.3%、部長級6.6%(いずれも2016年の値)。
(『平成29年度版男女共同参画白書』内閣府)

・少子高齢化で労働力不足が懸念される中、女性の潜在的な労働力が期待されている

今後の課題と対策の例

・都市部の保育施設の不足を解消する
・育児休業・介護休業の取得率を男女ともに上げる
・女性が仕事と家庭を両立できる環境を作るとともに、男性の育児や介護への参加率を高める
・在宅勤務・短時間勤務制度などを採り入れ、多様な働き方を実現する
・出産や育児でいったん仕事を離れていた女性が、再就職する際の教育訓練・創業支援などの支援策を充実させる
・女性が働きやすい企業の認定制度。厚生労働省では「えるぼし認定」を行っている。今後、地方自治体などでも地元の企業の認定などに取り組んでいくことが求められる
・女性が働きやすい環境整備のための補助金・助成金制度の充実
・男女共同参画社会への意識啓発を進める

上図から読み取れること

・「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方は変わりつつあるが、なお4割前後が「賛成・どちらかといえば賛成」と回答
女性より、男性のほうが賛成する割合がやや高い
・女性の活躍を推進していくためには、男女共同参画社会への意識啓発も課題になる

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」と◯割の人が考えている<br />【小論文の実践ネタ帳】あなたはどう考えていますか?

【参考記事】
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