「電柱設置料金値上げ」条例に
小池知事は踏み込むか?

 東京都では昭和61年度(1986年度)から計画的に無電柱化を進めており、「都道」に限った地中化率は、平成29年(2017年)3月現在で、区部57%、多摩地域18%、都道全体で39%と、まったく進行していないわけでない。

 また、現状で言えば、2017年9月1日に「都道での電力、通信会社などの関係事業者による電柱や電線の新設禁止」や、「都と関係事業者は、コスト削減のために技術開発を行う」などを骨子とした、都道府県初の「東京都無電柱化推進条例」が施行されており、法的な整備も整ってきている。

 では、今後、東京での無電柱化をさらにスピードアップするためには何が必要なのか。松原氏は「電柱の設置料金(占用料)を10倍に上げることが一番の早道だ」と指摘する。

「そもそも電柱を建てる費用が安すぎるのが問題なので、そのコストを上げれば電線を埋めざるを得なくなります。もしくは狭い歩道や大震災が迫っている地域で、電柱の地中化を義務化する。それなら電力会社は何としてでもコストを下げようと努力するはずです。電柱は本来必要のないゴミなので、税金を使わず責任を持って処理すべきなのは当然でしょう」

 前述のように、東京では条例によって、すでに新しい電柱を立てることはできなくなっている。さらに電柱の更新を難しくするように法規制すれば、決して実現不可能な政策ではなさそうだ。

 さらに、小池知事はスピードアップのために、税金も使う方針を打ち出している。

「本来、工事費用は全額、電力会社や通信会社が負担すべきなのですが、小池都知事は何としてでも任期中にやれるところまで進めるつもりです。たとえば、2020年の東京オリンピックまでに、都道のうち山手通り内側に位置し、首都機能や競技会場が集中している『センター・コア・エリア』を優先的に進める予定で、ひとまずこの地域の無電柱化は完了するでしょう」

 話題に上ることも少なくなった無電柱化政策だが、布石は着々と打たれているようだ。