こうした報道の受け止め方は世代によっても異なるだろう。60代に足を踏み入れた筆者の世代などは驚く人も多いはずだ。

 まず小学校に部活があること。中高年世代の小学生時代は部活などなく、放課後は勝手に遊んでいたものだ。スポーツをするにしても校庭や空き地に仲間が集まり、三角ベースをやるぐらいだった。だから意外なのだが、地域によって差はあるものの今は全国的に小学校の部活はあるようだ。

 理由はあるだろう。昔のように子どもが自由に遊べる空き地がなくなった、小学生だけで三角ベースなどをやると事故の危険がある、放課後を子どもだけにすると不審者に狙われる心配がある、家にいるとゲームばかりしてしまうから部活で体を動かす機会をつくろう、といったことが考えられる。だが、その小学校の部活も教員の負担から再考される時期にきているわけだ。

 スポーツ庁のガイドラインに対しても、中高年世代には感慨深いものがあるはずだ。昔は「部活はきついもの」が当たり前だった。熱血タイプの指導者には、強くするには長時間の練習が必要と信じて疑わない人が多くいて、放課後は暗くなるまで、土日は朝から晩まで、休みは元日だけなんてところもあった。むしろそれが熱心さの表れと評価されたりもした。

 酒の席などで部活の話が出ると「オレらの頃は水も飲ませてもらえなかったよな」、「今じゃヒザを痛める元凶ともいわれてるうさぎ跳びを延々とやらされたよ」といったエピソードが語られる。指導者や先輩からの鉄拳制裁も珍しくなかった。そうした部活に順応した人は、今回のガイドラインは甘く感じるだろう。順応できず否定的な人は「スポーツ庁がこんなガイドラインを出すところを見ると、いまだに無意味なスパルタ練習をしている部があるんだ」と驚くに違いない。こうした議論が生まれ、部活のあり方が世間で語られるという点で今回のガイドラインは意味がある。

教育的効果もある半面
「ブラック部活」問題も

 もちろん部活には良いところもたくさんある。集団生活での規則や上下の秩序が学べる、チームメイトでなければわかり得ない心のつながりが生まれ一生ものの友人ができる、帰属意識が生まれる、といったことだ。好成績を収めた選手を輩出した学校には「○○部○○さん全国大会出場」といった横断幕が張られているのを見かける。学校はもちろん在校生にとってもそれは誇りだろうし、本人にとっても競技へのモチベーションにつながるはずだ。