トヨタ社長が次期自工会会長に「異例の再登板」をする理由写真は2018年「CES」でプレゼンする豊田章男トヨタ社長 Photo:REUTER/AFLO

豊田章男氏の次期自工会会長就任が内定!
再登板の背景には何があるのか?

 日本自動車業界の総本山である日本自動車工業会(以下、自工会)は、3月15日の理事会で豊田章男トヨタ自動車社長の次期自工会会長の就任を内定した。5月17日の理事会で正式に選任され、自工会は同日の定時総会から豊田章男新体制(任期は2020年5月まで)で臨むことになる。

 自工会の会長職は、トヨタ・日産・ホンダの代表権を持ったトップが任期2年の輪番制(2002年から実施、それ以前はトヨタと日産による交代制)で就任することになっている。今回はトヨタの番であるが、豊田章男氏は6年前にも自工会会長(2012年5月〜2014年5月)を務めており、これまで歴代会長で再任されることはなかった。それだけに、今回の再登板は初めてのケースとなる。この再登板の背景にはいったい何があるのか。

 自動車業界は、電動化や自動運転といった次世代技術が急速に進む大転換期に入っている。この大きな変化・変革に対応するため、自動車業界にはグローバル競争力の維持・強化が求められている。

 そして2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催される。開催地の東京を中心に、日本の自動車産業の先進技術を世界にアピールする絶好の機会だ。さらに2020年以降、日本が次世代モビリティ社会をリードしていくためにも、今回就任が決まった豊田章男次期自工会会長はまさに適任といえよう。

 また、2019年秋の東京モーターショーは、東京オリンピックの直前開催となり、いわばその前哨戦でいかに盛り上げるか――、主催の自工会は豊田章男体制で万全の準備を進めることになるだろう。