全体として見れば、新興国での製造・販売は継続的に増加し、先進国での製造・販売の伸び悩みと低下が加速する。これは一般的に、パラダイムシフト(市場の大きな移動)と呼ばれるものだ。そのなかでBRICsでは、ブラジル、ロシアの経済発展が順調。中国、インドの国内経済はやや足踏み状態だが中期的にはまだ伸びる。こうしたBRICsでの自動車需要は、インドから欧州への一部輸出を除き、基本的に地産地消が主体のマーケットとして伸びる。

 アジアの自動車製造と販売はタイ、インドネシアの二大拠点が基盤。また商圏、物流圏としては、インド~ASEAN~オセアニアで構成されるアジア太平洋州の枠組みのなか、FTAやEPA等の自由貿易協定の実効性が高まるのと平行して、同州内での部品の相互補完や新車輸出入が活発になる。さらにタイは同州の中心的存在として、新興国と発展途上国向けの輸出拠点として存続する。

 対する先進国では、それぞれの地域で状況が大きく違う。日本はご承知の通り、2012年上期にエコカー補助金等による瞬間的な需要増があるが、中期的には内需低下傾向が変わらず。円高による輸出への圧迫のダブルパンチを受け、今後確実に、自動車産業は空洞化する。

 韓国は、内需低下分をウォン安による輸出でカバー。だが、新興国やNAFTA(北米自由貿易協定)現地での効率的な開発を考慮すれば、韓国も日本と同様に、「売れるところで作る」という概念が優先してくる。そのため韓国にとっても「売れるところ」である新興国とNAFTAでの現地生産の依存度が今後も高まっていく。

 そして問題は、残りの先進国、EUとNAFTAとの関係だ。この2地域間で生まれている新たなる結びつきこそ、パラダイムシフト第二幕だ。