「できたことメモ」から「ありたい姿」を探し出そう

「うーん、でも正直、『ありたい姿』がまだよくわからない」という人もいると思います。そういう人には、拙著『月イチ10分「できたこと」を振り返りなさい』でもお伝えしたように、月1回「できたことメモ」をザッと見直すことをオススメします(「できたことメモ」については以前の記事もご参照ください)。

 1ヵ月もすれば、多くの「できたこと」がたまっているはずです。これら「できたこと」の記録を見ていくことで、自分の「ありたい姿」に気づけます。「できたこと」を眺め、次のように自分に問いかけてみましょう。

「もっとなんとかしたいと思うことはどれか?」
「もっと高めたいことはどれか?」

 すると、いくつか気になる「できたこと」が見つかるはずです。「あれっ、なんだかこの『できたこと』が気になるな」。そんな軽い感覚でかまいません。毎日記録してきた「できたこと」は、あなたの価値観の集積です。ここで気になった「できたこと」は、あなたの「ありたい姿」を認識するヒントになります。なぜなら、そこにはあなたの大切にしている価値感・信条が隠されているからです。

・新しい単語を10個覚えた
・リスニングを1週間続けられた

 きっとこの人は、「英語力をつけたい」「将来は海外でバリバリ働きたい」などのありたい姿を持っているはずです。ほかにもたとえば、

・セールストークがうまくできた
・アポイントメントが取れた

 という「できたこと」に目が行った営業マンなら、「売上目標を達成してまわりに認められたい」というありたい姿を持っているかもしれません。このように「できたこと」と「ありたい姿」は強く結び付いています。「なぜ、この『できたこと』が気になったのか?」と考えてみると、自身の「ありたい姿」に気づくことができるのです。

 あなたが気になった「できたこと」の背景にはどんな「ありたい姿」があるでしょうか? 「周囲に認められたい」「海外でバリバリ働きたい」「出世したい」……その姿は人それぞれ。「ありたい姿」に改めて気づいたとき、一歩ずつそこに近づく意欲がわいてくるはずです。