7月下旬に、NYダウが9000ドルを超えたのとほぼ時を合わせて、日経平均株価も1万円超えの水準になり、ほぼ1ヶ月が経過しました。国内においては、エコを切り口とした行政施策により、電機、自動車といった産業がやや持ち直しているのがプラスの要因となっており、明るい材料が出てきているのも確かです。
しかしながら、より生活者に近い流通業界を見ると、一部好調を維持している専門店業態は存在するものの、例えば百貨店協会が公表する数値(7月度総売上は前年比11.7%減の6185億円)等にもみられるように、まだまだ先が見えない状況が続いている企業も少なくないと思われます。
「格差社会」、「消費の二極化」というキーワードがここ数年で定着してきましたが、こういった環境変化によって従来の成功方程式がそのままでは通用しにくい状況にあるのが今です。
回復している企業は
マネジメント力が強い
企業は、この大きな時代の流れを踏まえて自社が置かれている状況を把握した上で課題を明確にし、スピーディーに対応することが必要不可欠になってきました。つまり、自社を変革し続けるマネジメント力の強さこそが重要になってきており、それこそがこの百年に一度といわれる不況から早期に脱却する際の差別化要素ではないでしょうか。
実際、回復企業を見ていくと、目に見え易いマーケティング力より、企業の基盤を支えるマネジメント力の強さこそが原動力になっているのです。
我々戦略コンサルティング部では、それらをまとめて「動かす力」と定義づけしました。
「動かす力」には、以下の5つの要素が含まれています。
【1】数字を動かす力⇒目標を達成する力
【2】コストを動かす力⇒原価意識を醸成する力
【3】人を動かす力⇒コミュニケーション(伝達する、受信する)力
【4】顧客を動かす力⇒考えさせる(問題を解決する)力
【5】組織を動かす力⇒変革リーダーを生み出す力