東京オリンピックの喧騒が去った2020年、あなたはどんな生活をしているだろうか?
AIによってシンギュラリティは起きるか?ヒト以上にやさしいAIは登場するか?ヒトとAIはどう共存していくのか?
構想・執筆に2年、「愛」がテーマという注目のエンターテイメント小説『マルチナ、永遠のAI。』が話題となっている。ビットコイン、ブロックチェーン、ディープラーニング……正確な技術論と、その道の世界的権威の見解をもとに緻密に描いた作品で、SFではない、小説風の解説書というから注目だ。
実物通貨と仮想通貨、日常と非日常、ヒトとAIの境界線がどんどんなくなりつつある今、私たちはどうやって生きていけばいいのか?
仮想通貨は苦手というあなたも、これさえ覚えておけば、周囲から尊敬の眼差しを浴びるかもしれない。
2000年代中盤から「AI」と「IoT」を研究し続けてきた大村氏の特別寄稿をお送りする。
(構成・寺田庸二)

仮想通貨も
金(きん)のように採掘している

 今回は、「仮想通貨は誰が発行しているのか?」という話をします。

 ちなみに、紙幣であれば発行しているのは日本銀行(日銀)です。
 細かい話ですが、よく勘違いされるので補足しておくと、硬貨を製造しているのは日本政府で、日銀ではありません。
 ただ、いずれにしても、通貨は各国の中央銀行が発行していると解釈しても問題はないでしょう。

 さて、第9回連載で解説しましたが、仮想通貨の実体は、「ブロックチェーン」と呼ばれるすべての取引が記録されたコンピュータ上のデータ(ブロック)が鎖状につながったもの(チェーン)です。

 一番馴染みのあるビットコインのブロックチェーンであれば、2009年1月3日に生まれた最初のブロック(genesis block)から、現在までのブロックがすべてチェーンのようにつながっています。

 そして、すべてのブロックに同一の取引履歴が記録されています。
 この取引履歴のことを「トランザクション」と呼ぶのですが、仮想通貨はまだまだ研究され始めて日が浅いことから、トランザクションの定義はあいまいなところもあります。

 ただし、各々が好きなように用語を使用している状況で、誰が正しいという問題ではありませんので、本稿では「トランザクション=取引履歴」と定義します。
 ちなみに、この「トランザクション」は、次回の連載でも登場する言葉ですので、ここで覚えておいてください。

 さて、このブロックチェーンですが、「どのように新たなブロックが生まれて、それが鎖状に繋がってブロックチェーンとなるのか」については、多くの人が気になるところだと思いますので、今回は必要最低限の技術論だけを簡単な説明でみなさんにご理解いただくことにします。