キャリアの幅がずっと変わらないという人が
一番多いという現実

 話をリクルートワークス研究所のプロジェクトの中間報告に戻します。

 驚くべきことに、全体(20代から60代までの男女)の実に91%の人が、「仕事にモチベーションを感じていない」「生き生きとしたキャリアを実感できていない」と言うのです。これ以外の調査でも、日本のビジネスパーソンのワーク・モチベーションの低さは多く指摘されるところですが、これはとても大きな問題だと思います。

 これでは満足できる人生を送ることもできません。

 若い方はもちろんのこと、すでに55歳になっていたとしても、その点で決して人生をあきらめないでほしいのです。

 冷静に考えて、人生100年とすれば、55歳はまだまだ半分強です。ここで人生を立て直してもまだ十分に残りの人生があります。死ぬ間際に「あそこで立て直してよかった」と思える、そんな人生を送っていただくためのヒントを様々な角度から提供していきたいと思います。

 この調査では、「キャリア導線」という考え方を大切にしています。ライフキャリア(仕事における職務範囲や自分自身が一所懸命に取り組んでいる働き)の幅を時系列で捉えたもので、次の7つのパターンをモデル的に提示しています。

 1番目が仕事に就いた当初からずっとキャリアの幅を広げ続けているパターン(右肩上がり型)。2番目が同じ仕事を深め、絞り続けるパターン(右肩下がり型)。3番目が仕事の幅がずっと変わらない不変型。4番目がキャリアの前半は幅を広げ、後半絞って深めるパターン。5番目が、その逆に前半は深めながら絞っていき、後半は広げるパターン。6番目が最初広げて、次に絞り、また広げるパターン。最後が、広げる、絞る、を何度も繰り返すパターンです。

 とても驚いたのですが、上記のうち、3番目に挙げた「ずっと変わらない」と答えた人が28.5%で一番多いということです。若いうちならそれも当たり前かと思いますが、60代になっても24.3%もの人が「変わらない」と答えています。