東京オリンピックの喧騒が去った2020年、あなたはどんな生活をしているだろうか?
AIによってシンギュラリティは起きるか? ヒト以上にやさしいAIは登場するか? ヒトとAIはどう共存していくのか?
構想・執筆に2年、「愛」がテーマという注目のエンターテイメント小説『マルチナ、永遠のAI。』が話題となっている。ビットコイン、ブロックチェーン、ディープラーニング……正確な技術論と、その道の世界的権威の見解をもとに緻密に描いた作品で、SFではない、小説風の解説書というから注目だ。
実物通貨と仮想通貨、日常と非日常、ヒトとAIの境界線がどんどんなくなりつつある今、私たちはどうやって生きていけばいいのか?
AIは苦手というあなたも、これさえ覚えておけば、周囲から尊敬の眼差しを浴びるかもしれない。
2000年代中盤から「AI」と「IoT」を研究し続けてきた大村氏の特別寄稿をお送りする。
(構成・寺田庸二)

AIによる無人運転は、
技術的には十分可能

 AIというと、多くの人が期待するのが自動車の「無人運転」ではないでしょうか。
 もちろん、タクシードライバーのように、無人運転によって職が奪われる懸念がある一部の業種、職種には、逆に脅威でしかないのかもしれませんが。

 この「無人運転」ですが、実現は可能か否かとなったら、ほとんどのAI開発者が「可能」と答えるでしょう。

 その前に、「無人運転」というのは俗語で、厳密には「完全運転自動化」と呼びます。
 そこで、まずは「自動運転」と「無人運転」を明確に区別しておきましょう。
 ただし、米NPO、Society of Automotive Engineersによる定義を首相官邸が採用した、「官民ITS構想・ロードマップ2017」をご覧いただくとわかりますが、専門家の作るレジュメは非常に難解です。
 ですから、ここでは容易に理解できるように解説します。

 まず、自動車を運転するといっても、これを法律レベルで理解しようとすると、なにをもって、「自動車を運転する」と定義するのかで混乱してしまいます。
 そこで、ここでは便宜上、「自動車を運転するとは、ハンドル、アクセル、ブレーキを操作することである」と定義します。

 その上で、自動運転システムはレベル0~5までの6段階に定義されていることを押さえておきましょう。