欧州随一の鉄道ネットワークを持つスイス。初秋の1週間、スイストラベルパス片手に、人気の急行路線や登山鉄道を乗り継ぎ、5つの地域を訪れた。
エンガディン地方のサン・モリッツとツオーツ村をそぞろ歩く
今回の鉄道旅の終着駅は、ドナウ川の支流であるイン川の庭=エンガディン地方のサン・モリッツ。そこからさらに足を延ばして、中世そのままの素朴な家並みが残るツォーツ村を訪れた。
世界有数のスキーリゾート、サン・モリッツとその周辺のエンガディン地方の村は、春から秋にのんびりと散策するにも最高の場所。冬は湖面が凍結するサン・モリッツ湖にも、1周約5kmの遊歩道に、さわやかな風が吹き抜けていた。
冬の喧騒を前に閉まっているホテルや店が結構あるが、通年営業のスイーツショップ(タルトやチョコレートが名物)やエンガディン博物館などのお楽しみもある。また、湖を見下ろす高台にはセガンティーニ美術館も。彼が『自然』を描きながら没した山小屋がここから望める。