厚生労働省が毎年実施している『21世紀成年者縦断調査』の結果が発表された。この調査は、調査対象になった男女を継続的に観察しているもので、2002年から毎年実施されている。今回発表されたのは、2010年に行なった調査の結果だ。
02年と言えば、筆者がちょうど成人を迎えた年。個人的にも調査対象者が期間中にどのような人生を歩んできたか、気になるところである。第1回の調査対象者は20~34歳だったが、当然、今回の調査時には28~42歳に上がっている。
8年あれば人は変わる。まだ学生だった調査対象者も立派な社会人となり、なかには結婚して子どもが生まれている人もいるだろう。何を「幸せの基準」にするかは人それぞれだが、それなりに人生の分岐点を通過する歳月だと言えよう。
人生の「明と暗」を分けたポイントは、どこにあったのか。過ぎ去った年月に思いを馳せ、調査対象者に自分を重ね合わせながら結果をチェックして欲しい。結婚や家庭を営む上で大切な「幸せの方程式」は、いかなるものなのだろうか。
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乗り遅れると遠のく結婚の厳しい現実
調査結果を見てすぐに気がつくのは、結婚するためには「先手必勝」が大切だということである。どういうことか?
まずは、どれだけ既婚者が増えたのか見ていこう。第1回目で独身だった男性のうち、調査期間中に結婚したのは35.0%。「20歳と若年の調査対象もいたから、8年経ってもこんなものか」と思ったかもしれないが、実はそうではない。
むしろ、当時30~34歳(現38~42歳)だった対象者が結婚した割合は28.6%で、20~24歳(現28~32歳)の34.9%、25~29歳(現33~37歳)の39.8%よりも低水準となっている。つまり、独身の時期が長く続けば続くほど、結婚から遠ざかる傾向があるのだ。さらに、女性の方が男性よりこの傾向が強まる。