脳卒中が引き金となり発症する血管性認知症

 若年性認知症の原因疾患として最も多い血管性認知症は、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)により、脳の血管が詰まったり破れたりすることで発症します。脳卒中が起きた脳の部分や障害の程度により症状は異なります。比較的急に発症して段階的に進行し、意欲低下、自発性の欠如、抑うつ、不安などの症状が特徴的です。

 アルツハイマー病は、最初にアミロイドβタンパク質(Aβ)、さらにタウタンパク質という大量の異常タンパク質が脳内に溜まり、神経細胞が消滅し、脳が萎縮することで発症します。通常、症状のない段階の「プレクリニカル期」を経て、記憶障害が目立ち始める軽度認知障害(MCI)に進み、その後発症します。Aβが蓄積し始めてから発症までに20~30年、発症後も20年という長い年月をかけて進行していきますが、若年性のアルツハイマー病では病状の進行が若干早く、初期から失行や失語が目立ちます。

 大脳皮質の前頭葉や側頭葉に萎縮が見られるのが前頭側頭葉変性症です。そのうち約8割が脳の神経細胞にタウタンパク質の集積「ピック球」が見られる「ピック病」です。若年性発症が多く、日常生活で同じ行動を繰り返したり、特にピック病では万引きをしたり暴力をふるったりするなどの反社会的、反道徳的な行動を起こすことがあります。本人は病気であるという自覚があまりないことが多く、初期は比較的記憶が保たれています。15年に指定難病に加わり、難病医療費助成制度の対象となりました。

 α-シヌクレインという異常タンパク質の集積「レビー小体」が大脳皮質や脳幹に蓄積されて発症するのがレビー小体型認知症です。中核症状ともいえる症状が、実際にないものが見える「幻視」で、他にも、手足の細かな震え、小刻み歩行、筋肉硬直などの「パーキーソン症状」、睡眠中に怒鳴ったりする「睡眠行動障害」、意識や認知機能が日や時間によって大きく変わる「認知機能の変動」といった症状が見られることがあります。