このように、独自の予測に基づきながら、勝ち組と思われる株だけを買おうとするスタンスをアクティブ投資といいます。これに対し、インデックス投信は、誰がやっても同じような結果になるのが特徴でしたね。将来の値動きの見極めとか株式の選定はしないで、市場内の株式をただ同じ比率で買うだけの「受け身」のスタンスですから、こちらはパッシブ投資と呼ばれます。

「攻めの運用」はとにかく高コスト……

 さて問題は、「アクティブ投資はほんとうに成果が出るか?」です。つまり、がんばって情報や理論を駆使して銘柄を選び、勝ち組株を選ぼうとしたほうがより儲かるのか、ということですね。

 じつを言うと、これについてはもう「答え」がほぼ出ています。どうやら、私たちがアクティブ投資を選んでも、あまりいいことはなさそうです。その理由は次の2つです。

理由(1)アクティブ投資よりも、パッシブ投資のほうが手数料が低い
理由(2)アクティブ投資よりも、パッシブ投資のほうが利回りが高い

 今回の記事では、第一の理由である「パッシブ投資の方が手数料が低い」について見ていくことにしましょう。

 じつは投資信託を扱っているファンド企業が、どれくらいの割合の手数料をとっているのかということは、アメリカでも2000年初頭くらいまではあまりオープンにされていませんでした。

 いまになってようやくわかったことでありますが、かつては、顧客が知らないのをいいことに、高額な手数料を貪るファンド企業がたくさんありました。しかし、サブプライム問題やリーマンショックなどを経て、「潤うウォールストリート」のしくみが明らかにされ、アメリカでも手数料開示や低手数料化の流れが進んできたわけです。

 なお、日本の投資信託の手数料には次の3つがあります。これらはゆるやかに相関していて、どれも低い投信があったかと思うと、どれも高い投信もあります。一般的に前者はパッシブ型のインデックス投信、後者はアクティブ投資をウリにする投信です。

(1)購入時手数料
(2)信託報酬
(3)解約時信託財産留保