コミュニケーションが苦手な
日本のオジサン

 孤独というものに対して、強い危機感がある諸外国に比べて、日本では孤独死を除けば、それほどネガティブなイメージは持たれていないかもしれない。

 しかし、少子高齢化が進んでいる日本は、35年には全世帯に占める「1人暮らし」の割合が、推計で37.5%ほどになると予測されており、“孤独大国”と言えるのだ。

 生涯未婚率も、30年には男性29.5%(女性は22.5%)にまで上昇し、男性の約3人に1人が生涯独身という時代を迎えようとしている。

 05年のOECDの調査でも「友人や同僚もしくはほかの人々と時間を過ごすことのない人」の割合は、日本の男性が16.7%と21ヵ国中で最も高く、平均値の約3倍となっている。アメリカ人男性の約4%と比べれば、数値がずば抜けて高いことがよくわかる。

 特に深刻なのが高齢者の孤独で、日本の調査では、「親しい近所付き合いをしていない」と回答した人は、女性が39.1%だったのに対し、男性は63.9%にまで及んだ。

 それでは、なぜ日本の男性、特に中高年の男性がこれほどまでに孤独に陥っているのだろうか。岡本氏は、「社会的・文化的環境、『コミュニティー』などの外的要因と、男性特有の『コミュニケーション』の問題などの内的要因の2つがある」と指摘する。

「典型的なケースは、会社を定年退職した老後の男性です。バリバリ仕事だけに打ち込んでいた世代なので、会社と家庭にしか自分の居場所がない人が多く、急に人生の目標や生きがいを失ってしまうパターンです。さらに女性に比べて、男性は会話をすることがあまり得意ではない人が多いため、コミュニティーに参加することがおっくうだと感じてしまい、孤独になりやすいと言えるのです」

 17年にイギリスのレガタム研究所が行った調査によれば、家族以外のネットワークや、ボランティア、地域活動への参加などといった、社会や地域における人々の信頼関係や結びつきを表す「ソーシャルキャピタル」(社会関係資本)の充実度は世界149ヵ国中、101位で多くの途上国よりも低いレベルだったことがわかっている。