【副業の注意点2】
本業と副業での扱われ方のギャップにショックを受けない

 あなたはいまの会社でそれなりの立場にあり、社内はもちろん、取引先などからもそれなりに遇されているかもしれない。しかし、副業の仕事において、もとの会社の地位は関係ない。

 今会社で働いている人の多くは、複数のコミュニティーに属するという経験が少ないかもしれない。しかし、副業で出会った人が自分のことを「歯牙にもかけない」とか「ぞんざいに扱う」ということは、「よくある」と覚悟したほうがいい。普段からそれなりの扱いを受けていると、軽んじられることに愕然とし、耐えられないことがあるかもしれない。最初は相当ショックなものだ。

 実は恥ずかしながら、私も独立してしばらくは、頭ではわかっていても、「取替可能な外注先のひとり」として扱われる場合があることに、どうしても慣れることができなかった。

 独立直後は「リクルートで○○の商品企画をしたのち独立しました」と言えば、通りもよかったが、2年目、3年目にもなると、元いた会社の名前を出して仕事をする道理もない。ますます、初対面で相手に自分が何者であるか(何ほどの者であるとおごっていたという意味ではない、念のため)をわかってもらえない、という事態の歯がゆさに悶々とすることがあった。

 今でも、大手有名企業の社長というわけではないから、初めてビジネスで会う人に「何の仕事をしているかよくわからないその辺のおじさん」扱いされることも多い。柳に雪折れなしというが、今ではことさら抗わず、そのまま「よくわからないその辺のおじさん」として、その場の役割を全うする。おかげでストレスはほぼない。

 ともかく、副業では、まるで社会人1年生の何の実績もない若造であるかのように扱われることもあるだろう。それがいいのだ。これまで培ったアイデンティティが瓦解するかもしれないが、自分の殻を破るチャンスだ。今までは、中身がなくても会社に与えられたポジションのおかげでなんとかやってこられただけかもしれない。自分のこれまでの実績や権限が及ばないところで、これまでの自分をどんどん壊して、手持ちのカードを使わずに、裸一貫でどこまでできるか挑戦し、新しい能力を開発することを楽しめばいい。