インターネット社会のリスク
個人がニコチン・インフルエンサーに

日本対がん協会・参事(禁煙推進・対がん事業開発)の望月友美子氏
望月友美子氏

 日本対がん協会・参事(禁煙推進・対がん事業開発)の望月友美子氏は、日本で広まる「加熱式たばこは健康被害が少ない」という一般の風潮に警鐘を鳴らしている1人だ。

 望月氏は「安全・安心なたばこ」という認識のユーザーが、ソーシャルメディアを通じて「インフルエンサー(感染源)」となり、紙巻きたばことは縁がなかった非喫煙者や未成年にも広がりかねないと指摘する。

 しかも、たばこ製品、周辺品に対する規制が緩い日本のこと。インターネット上には異業種のサードパーティが提供する「格好いい」「かわいい」「ラグジュアリー」な本体互換機や、オリジナル本体をカスタマイズするスキンシールが売られ「インスタ映え」をうたっている。

「ジュースの紙パックを模したシールもあります。もう汚い、臭い“たばこ”には見えません。お菓子や文房具と一緒です。心理的なハードルは従来の紙巻きたばこよりも格段に下がるでしょう。これまでとは全く違う社会的なリスクが生まれているのです」(望月氏)。

 Caputiらの報告によると、日本での「加熱式たばこ」の検索数(Google)は、2015年と比較し、2016年には15倍に、2017年は年初からの9ヵ月間で30倍以上の600万~700万件に伸びた(図2)。

 ちなみに、2016年はIQOSの全国展開とJTのプルームテックの先行販売が始まった年である。翌2017年にブリティッシュ・アメリカ・タバコ(BAT)のgloが上陸、プルームテックがオンライン販売を開始している。

◆図2:加熱式たばこの検索数の推移(青:日本)

加熱式たばこの検索数の推移
Caputi TL, et al.,:Plos One, 2017 Oct 11;12(10):e0185735. 拡大画像表示