将来世帯数予測は都心回帰
人はなぜ「内側」に集まるのか

 人口の将来予測は、世に公開されているものがいくつかある。その中でも行政区単位については、代表的なものは厚生労働省の外郭団体が予測したものがあるが、東京都では独自に人口予測を行っている。人口予測にはそれぞれにシナリオがあるので、この2つを平均して予測値を作成してみることにした。

 総人口が減少すると、頭数の分だけ需要が減退するのは言うまでもない。しかし、住宅の場合には総人口よりも世帯数の方が重要な数字になる。供給側の建物と対になる需要は人口ではなく、世帯数だからである。

 よって世帯人数が2人ならば、総人口を2で割って世帯数換算することが必要になる。世帯人数は先ほどのグラフのように減少の一途をたどっており、東京都ではすでに2人を割り込み、まだ減少が続いている。世帯人員の予測で割ると、総人口のピーク期は約5年ほど後ろ倒しになる。つまり、2020年まで総人口が増えるならば、世帯数は2025年まで増えるということだ。

 とはいえ、日本の総人口は減少し始めて10年ほど経つ。これは出生人口よりも死亡人口の方が多いことを意味し、47都道府県のうち例外は沖縄県だけだ。ただし、人は移り住む。その流入が多いのが都市圏であり、都区部は毎年6万人ほど人口が増えている。

 流入する年代は20代が中心で、大学卒業の23歳が最も多い。移転の理由は職に就くに際して、都市圏には仕事がたくさんあるからだ。それは都道府県ごとの有効求人倍率に表れる。東京都は2以上なので、職を探している人が1人に対して仕事は2つ以上ある。地方では求人が少ないこともあり、都市圏に上京してくるのだ。