「村長はこれまで村作りを一生懸命にやっているから全員戻らせたいんだ」という風に思っているんでしょうね。われわれの説明不足というのもあるかもしれませんが、違いますよ。

帰村率は65~70%
飯舘村は3000人規模になる可能性も

 復興計画をつくるにあたって、山古志村などの関係者に話を聞いた。そうしたら、帰村率はだいたい65%から70%なんですよ。飯舘村は全村民が避難したんですが、全村民が避難すると、もう、全員は戻らないんです。飯舘村の人口は約6000人だから、4500人くらいの村になる。子どもが心配だから戻らないというのも当たり前ですよ。もしかしたら、3000人くらいの村になってしまうかもしれない。でも、復興計画では、戻る人も戻らない人も、全員に手を差し伸べて一人一人の復興を目指すとしている。戻った人も、戻らなかった人も、村民なんです。

――2012年10月に村長選挙が行なわれる。まだ半年近く先のことであるにもかかわらず、すでに村民のなかでは話題になっている。立候補を表明する村民もいるという。村長はそうした動きに対してどう思うか。また自身は再選を目指すのか。

 それは、村民の皆さんで考えてください。私については今の時点ではわかりません。

除染費用は3200億円
かかると試算

――国に対しては、再三、村の意見を伝えてきているが、どのような思いがあるか。

 避難にあたっては、ただただメディアから出て来る情報で動いていた。飯舘村は特別、防災訓練もしていたわけではない。線量計も持っていなかった。あたふたしていたが、精一杯村民の避難のために動いていた。

 そうしたら、当時の枝野官房長官が、避難区域を広げるつもりはないと言いながら、だんだんと曖昧な表現を使って言い始めた。それで、なんとなく気づいていましたよ。「ああ、これは飯舘村のことを言いたいんだな」と。

 それで、私は至急、専門家にも相談しながら、放射能の除染計画の素案をつくって福山官房副長官に提出したんですよ。4月5日付けで、4月7日に提出しました。もう土も山も水も、すべて放射能で汚染されてしまっているということはわかった。これから、「放射能に汚染された飯舘村」と言われる。どうせなら、除染のモデル都市としてがんばろうと思ったんですよ。結果的に、いくつもの除染の実証事業を飯舘村で行なうことになった。