最高レベルの会議
中央外事工作会議が開催
6月22~23日、中央外事工作会議が北京で開催された。中国、より厳密に言えば中国共産党の外交戦略・政策、そしてその裏に潜む背景や意図を読み解く上で極めて重要な最高レベルの会議である。
この会議が初めて開催されたのが胡錦濤・温家宝政権時の2006年8月で、2回目が習近平第1政権時の2014年11月であった。これだけ間が空いていることからも想像がつくが、同会議はこの期間における国際情勢や中国の外交政策を総括した上で、これからの数年に向けた外交方針や戦略を大局的に組み立て、打ち出すことを目的としている。
上で“最高レベルの会議”と記したのには、習近平総書記が重要談話を発表したのを筆頭に、すべての政治局常務委員、王岐山国家副主席、政治局委員、全国人民代表大会指導層、全国政治協商会議指導層、国務委員、最高人民法院院長、最高人民検察院検察長、中央国家安全委員会委員、中央外事工作委員会委員、各省庁の首長、駐外大使・総領事、駐国際機関代表、駐香港・マカオ特派員、地方の首長、解放軍、国有企業、金融機関などの指導層などが総出で出席した事実による。
これだけの関係者が集結するというのは、中国共産党指導部が意思や方針を統一し、トップダウンで各地・各部署への統制や浸透を図る目的があるということにほかならない。
以下、同会議の模様を具体的にレビューしつつ、そこから何がどのように読み取れるのかを検証していきたい。本連載の核心的テーマである「中国民主化研究」にとっても欠かせない作業であると筆者は認識している。