驚くのは、フィリップ・グラスのオペラ「イクナートン(Echnaton)」が2019年5月から8公演開催されることだ。フィリップ・グラスは1970年代から80年代にかけて世界で流行したミニマル・ミュージック(単純な反復を繰り返す技法)で有名な作曲家だ。オペラも3作品が知られている。「イクナートン」は古代エジプトの王を題材にした作品で、古代語で歌唱される音楽だ。

 60年代の建築であるドルトムント市立歌劇場は、壮麗な古典的様式の建築ではなく、四角いコンクリートの箱に巨大なアーチをかぶせたモダンな建物だ。むしろフィリップ・グラスに合っていると思える。

あまりにも多忙だが
日本でも雄姿を見たい

 この間、劇場のオーケストラであるドルトムント・フィルハーモニー管弦楽団の11月公演でブラームス「ドイツ・レクイエム」を指揮し、2019年2月の「ウィーン古典派」演奏会シリーズでもタクトを振る。この演奏会はベートーヴェン「レオノーレ」序曲第3番、モーツァルト交響曲第31番ニ長調「パリ」、ハイドンのピアノ協奏曲第4番ト長調、それにフランス人の作曲家エティエンヌ=ニコラ・メユールの「序曲ヘ長調」を組み合わせた凝ったプログラムである。

 他にも、このオーケストラが用意している「ベビー向け」「小学生向け」「中高生向け」「ユース向け」といった市民への公開演奏会もいくつか受け持つ。

「予めわかっていれば出番を調整し、日本で仕事をすることも可能なのですが」とは言うものの、これだけのメニューがドルトムントで待ち構えているとすると、日本で仕事を入れるには季節が限られることだろう。それでも、今年夏の大阪だけではなく、もっと小林の雄姿を見たいものだ。