細かいところにはこだわらない

 仕事を進めていくうえで、早く結果にたどりつくコツは細かいところにこだわらないこと。大筋さえ誤らなければ、どんどんいこうという気持ちで突き進むことだ。

 これは、お客様に商品を売り込み、商売をまとめようとしているときにも当てはまる。

 商品の説明はソコソコに値段の話になってしまうと、 「何%引いてもらえるのか」 「では、特別に20%お引きしましょう」 「もう一声25%までいけないか」 という交渉になってしまう。

 しまいに、「いや、これ以上は引けません」となってしまうと、お客様も「それなら遠慮しとくは」ということになって、商談がまとまらない。

大筋で合意を取り付けることを優先せよ

 やはり、商談をまとめるときには、お客様に商品のメリットを納得してもらって、まず買う気になってもらうことが必要だ。

 お客様がそういう気になれば、お客様も商売をまとめようという気になり、「25%まで引けないか」という質問に、「わかりました。これが最終ですが、23%までお引きします」と言えば、そこで商談成立となる。

 つまり、大筋で購入するということで合意ができてしまえば、細かい値引き交渉もうまくまとまるということだ。

 大筋にフォーカスし、そこを外さないことに集中して仕事を進めてほしい。 細かいことは最後にまとめればよいのだから。

知力より胆力で決める

 こうして自分で仕事を進めていけば、結構早く「結果」らしきものが出来上がる。

 でも、その出来上がったものを自分の提案にしようと決断しない限り、それが、仕事の「結果」となることはない。

 つまり、仕事をやったあと、それを「結果」にしようという決断が必要なのである。 ここで、自信のない人は悩んでしまう。

「本当にこれでいいのか」 「こんなの出して上司から怒られるのはないか」と……。

 そして、時間がたっていく。周りの人からは、「あいつはなぜぐずぐずしているんだ」と思われる。

 こんなことをしていると、状況が変わり、できたと思っていたが、ちょっと自信のなかった仕事の「結果」らしきものが、状況に合わなくなってきて、やり直さなければならなくなる。

「できた」と思った時点で、スパッと決断ができなかったのが命取りになるのである。

 でも、決断できないのにも、それなりの理由はある。

 取り巻く状況はどんどん変わる、調査は6割で終わらせている、大筋にフォーカスし、細かいところは無視している、という状況だから、不安になるのもやむを得ない。

胆力がないと意思決定できない

 しかし、人生なんてそんなものだ。

 いつだって、不確実なことがたくさんある中で決断をしている。

 結婚だって、相手のことを100%理解してから結婚するわけではない。

 仕事もまったく同じだ。不確実性の中で、不安を感じながら、決断ができるかどうかが問題なのだ。

 どこかで、「判断と決断は違う」という話を読んだことがあるが、まさにその通り。

「判断」とは、左脳で考えて、何か問題になっている事柄についてイエス、ノーを考えるときに、ポジティブな要因とネガティブな要因を考えて、ポジティブなほうが多ければ、イエスと答えを出すもの。つまり、知力を総動員すれば、結論の出る問題だ。

 しかし、決断は、そうした判断要素の左脳での判断を踏まえて、不確実性の中で右脳を使って決めることだ。

 つまり、その人の胆力次第。

 胆力があれば意思決定できるが、それがなければいつもウジウジしてしまう。

 と言っても、ではどうやったら胆力がつくのだろう。