それぞれの特性から分かる
向く職業、向かない職業

 では、それぞれに向いている職業、向いていない職業には、どのようなものがあるのか。

「まず、ASDの人に向いているのは『コミュニケーションをあまり必要としない職業』です。例えばプログラマーなどのコンピューター関連の仕事が挙げられるでしょう。また、なにか1つの物事に対して抜群の集中力を発揮する、という特性も持っているので、研究者、校正・校閲のような、スペシャリスト的な仕事に向いています。単純な入力作業など、同じことを何回も繰り返すような仕事にも向いているでしょう」(草薙氏、以下同)

 逆に、コミュニケーション能力を要するような職業や、マルチタスク能力を要する職業、臨機応変に対応しなければならない職業などには向いていない。具体的には接客業や営業職、教師などがこれに当たる。また、様々な業務を並行するマルチタスク能力が必要な一般事務や電話オペレーターなども難しそうだ。

 ADHDの人は、職種以前に、まずは自分の興味のある分野から仕事を探すべきだという。

「何事にも強い動機づけが必要なADHDの人には、その人が興味を持っている分野の職業が向いています。得意だ、好きだ、という明確な意思があれば、そのハンディを克服できるでしょう。また、興味の対象が移り変わりやすいので、その日によって扱う物事が変わるような職業が向いています。具体的に挙げるならば、ジャーナリストなどのマスコミ関係、芸能人、個人経営の貿易商などです。逆にマルチタスク能力を必要とする職業は不向き。また、継続した集中力が求められる、工場の流れ作業のような仕事も難しいでしょう」