高速増殖炉「もんじゅ」はこれまで1兆円以上を費やしたにもかかわらず、2度の事故を起こしたあげく、稼働しないまま2016年末に廃炉が決定した。廃炉費用にさらに1兆円かかるという。

 2010年に日本原燃が有価証券報告書の公表を止めたために、正確な数値を出しにくいが、六ケ所再処理工場は、1989年の建設申請時に7600億円だった建設費が2.9兆円に膨らんだにもかかわらず、いまだに稼働していない。その間にも人件費や維持費3兆円近くを使っている。

 もんじゅと六ケ所再処理工場で、八ッ場ダム十数個分の税金や電気料金をドブに捨てているのである。もし核燃料サイクル政策をやめれば、これらの8兆円近い無駄遣いが露呈する。

 それだけではない。使用済み核燃料は、電力会社にとって、「原料」となる「資産」から膨大な費用のかかる「経費」や「負債」になり、原発は超高コストなエネルギーであることが露見する。

「安い」「ベースロード電源」といううそが白日の下にさらされてしまうのだ。

再エネの普及を妨げる壁
世界はエネルギー転換進む

 一方で、基本計画は、世界の流れに抗しきれず、地球温暖化対策のパリ協定発効を受けて、再生可能エネルギーの「主力電源」化をめざす方針を初めて打ち出さざるを得なくなった。

 実際、再エネのコスト低下はめざましい。米国エネルギー省によれば、2013年末に太陽光の発電コストが11.2米セント/kWh(約11円/kWh)になり、米国の電力料金の平均価格12米セント/kWhを下回った。

 2017年10月に発表された、サウジアラビアの北部サカーカに建設予定の300MW太陽光発電所の8件の入札結果では、2~3円/kWhという驚異的な価格低下が起きている。発電能力だけを見れば、世界では2015年末に風力発電が原子力を上回った。

 いままで経産省・資源エネ庁は、再エネは高いと普及に力を入れてこなかったが、そのことが世界から日本が取り残される結果をもたらしているのだ。

 小規模分散型エネルギーの時代は、地域の住民に広く投資機会を提供する。もはや大手電力会社が地域独占の上にあぐらをかき、利益を吸い上げる時代は終わりを告げようとしている。

 だが、基本計画を読んでも、政府は本気で再エネを普及させる気があるとは思えない。