『日本の大問題』を書いた理由。

 日本は〈今は〉国際的にも経済大国であり、政治的にも安定している先進国です。所得だけでなく、治安などの面でその豊かさを享受している人は多いでしょう。しかしこれからはどうなるか分かりません。GDPが中国に抜かれて3位に落ちたと騒がれていますが、すでに「一人あたりGDP」は2017年で25位。先進国の中でも非常に低い状況です。

 そして日本には〈今も〉さまざまな問題点があります。貧困、格差、ジェンダー、人種差別といった問題に加え、政治やメディアなどの構造的な課題もある。そうした問題に目を背けることなく、社会的なバグを見つけては、ひとつずつ改善していくことが必要です。

「この国を、これからどこに向かわせましょうか」
これが、『日本の大問題』があなたに投げかける問いです。
「この国は、これからどこに向かうのでしょうか」
こうした問いかけはしません。それだと他人事っぽいからです。

 この国には現在、多くの大問題があります。それらの問題を解決するために、あなたは具体的に何をはじめようと思いますか?人任せではいけません。ここは、あなた自身が暮らす社会なのですから。部屋が散らかっている。だから整理整頓する。それと同じようなことです。
 もちろん片付けるのが苦手な人もいる。では、その部分は誰にどのような方法で任せますか。あるいは、自分の得意分野はなんでしょうか。
何かをするにしても、どういう問題があるのかわからない。そこで立ち止まる人もいると思います。そこで本書は、【政治】【経済・福祉】【外交】【メディア】【治安】【教育】の6つの分野について、今ある大問題の確認と、私なりのひとつの提案を示しています。

 ぜひお手に取って頂ければ幸いです。


新刊のお知らせ

『日本の大問題――残酷な日本の未来を変える22の方法』

日本がこれから10年以内に直面する「危機」とは?

この国の未来を変えるにはどうすればいいのか?

【経済】
【政治】
【外交】
【治安】
【メディア】
【教育】……
どこをみても「問題だらけ」のいまの日本と、
このままだと確実に待ち受けている「絶望的な未来」への対応策が一冊でわかる!

○低成長とデフレが確実にもたらす「貧困・分断社会」
〇現代のメディアがか必然的に生み出す「ポピュリズム政治」
○公文書改竄がもたらす「民主主義の危機」

自ら立ち上げた「シノドス」では具合的な政策議論を行い、メインパーソナリティを務めるTBSラジオ『Session-22』では連日識者を呼び、日本の課題に向き合い続けてきた著者が「今の日本が抱えている課題」と「日本の未来を変えるための制度設計」という二つの観点からわかりやすく解説。

――日本はどこから来て、どこへ向かうのか。

TBSラジオ『Session-22』パーソナリティ・荻上チキによる、
現代日本をアップデートする22の処方箋!

【CONTENTS】
■第1章 「未成熟」の日本の政治をアップデートするためには――日本の大問題1【政治】
・「戦後民主主義」という「建国の精神」――近代日本の歩みを振り返る
・森友・加計問題から考える権力への「縛り」――日本の「政治」を変えるには
■第2章 低成長の時代を越えて社会を変えるには――日本の大問題2【経済・福祉】
・低成長論は永遠か?――日本の戦後経済の歩み
・「ベーシックキャピタル」で成人時の公平なスタートアップを保障する――日本の「経済・福祉」を変えるには
■第3章 世界のなかの「日本」の役割を更新する――日本の大問題3【外交】
・誤解されがちな「積極的平和主義」の本意
・玉突き現象として外交をみる――日本の「外交」を変えるには
■第4章 現代のメディアは民主主義をいかに変えたか――日本の大問題4【メディア】
・すべてのメディアは「偏って」いる
・国会のリアルタイム発言録をつくろう――日本の「メディア」を変えるには
■第5章 この国の社会は本当に「安全」か?――日本の大問題5【治安】
・殺人は発生件数も発生率も減少し続けている
・「ハーム・リダクション」の導入――日本の「治安」を変えるには
■第6章 教育の「自由」をつくるには――日本の大問題6【教育】
・「通学中心主義」から抜けられない日本
・「教員2人+α」――日本の「教育」を変えるには

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