アマゾンエフェクトは、地球規模での経済を変える

一言でいうと、アマゾンエフェクトとは、地球規模での経済秩序の破壊および再編である。

「amazoning」や「amazoned」など、アマゾンによって消滅させられる可能性のある産業や企業が多く現れることで、産業構造が変わるということだ。

アマゾンエフェクトとは、説明しづらい言葉である。たとえばアマゾンは、個別産業だけではなく、産業そのもののあり方も変える可能性がある。

すでにコンピューター業界は、アマゾンのせいでパソコンやサーバーを売る時代から、サービス(クラウド)を売る時代に変化している。

かつて、パソコンなどのハード面からサーバーを売るのが中心になったときに、コンピューター業界は産業構造そのものが変わった。それと同じことが、クラウドへの移行のときも起こった。

こういったことを、アマゾンは各業界で起こしているのだ。

アマゾンエフェクトとは、個別の企業の消滅、産業そのものの消滅、またはまったく新しい産業の勃興だといえる。

たとえば、物流網はまったく新しい形に変わる可能性がある。これまでの物流は、小売業や製造業の企業からすると外注するものだったのが、アマゾンが自分で倉庫を構えることで、他の企業も倉庫機能を自前化し始めた。

さらに配達まで自社でするとなると、物流という定義が変わってしまって、結果的に他の会社も追従することになるかもしれない。

これのいい例が日本では楽天で、倉庫を増設したりしている。他の企業もしかりだ。

小売業だけではなく、メーカーも含めて、産業構造そのものを変えつつある。