「ネットの可能性」を軽くみた企業が続々倒産

ネットの可能性を見誤った企業が、相次いで倒産している。アマゾンが象徴するのは、「未来への投資を他人まかせにすることが、自社を大きな存亡の危機に立たせること」だ。

倒産した企業の多くは、時代が変わったことに気づかなかった。

アマゾンと事業領域が丸かぶりだった、かつて全米2位の規模だった書籍チェーンのボーダーズ、同じく家電量販店2位だったサーキット・シティーは、いまその姿を消した。

最近では、玩具業界の巨人と言われたトイザらスが2017年9月に破綻した。負債総額は約52億ドルと報道されている。

各社の破綻の原因はさまざまだが、それぞれの顧客がアマゾンへ流出してしまったことが共通項のひとつであるのは間違いない。

じつは、米国のトイザらスは2000年にアマゾンと10年間のネット専売契約を結んでいる。

アマゾンはトイザらスが提供する玩具のみを取り扱うと約束したのだ。当時、トイザらスの公式ページをクリックするとアマゾンの玩具コーナーにつながっていた。

しかしその数年後、アマゾンはトイザらスが供給する商品数が少ないことを理由に他の業者を取り込んだのだ。

怒ったトイザらスは契約を破棄、2006年に自社独自に通販サイトを立ち上げたのだが、時すでに遅し。もはやトイザらスにアマゾンに対抗する力は残っていなかったのだ。書籍販売のボーダーズもほぼ同様の経緯をたどっている。

とはいえ、この事例はアマゾンが意図的に競争相手を潰したというよりも、トイザらスもボーダーズも、ネットの可能性を見誤ったことにある。しかも、その結果はわずか数年後に判明するという苛烈なものだった。

日本の金融機関などは他山の石とするべきであろう。たとえば、コンビニでの支払いなどの小口決済に現金を使っているのは、もはや日本だけかもしれない。

日本も、いつかはかならず他国のようにマネーは電子化する。すでに中国の都市部では、アリペイなどの電子マネーの普及率は98%などと言われている。現金はほとんど使っていない。彼らにとってのアマゾンは中国からやってくるかもしれない。