公的支援は限定的。住所地の災害リスクの確認、保険も欠かせない

 以上で見てきたように、支援法は一定規模以上の災害を対象としており、支援法が適用されない場合は都道府県独自の支援措置が講じられることになる。そのため、同じ災害で被災しても、支援内容には被災者間で差異が生じることがある。ともあれ、支援金や地域の独自支援を受けられる場合であっても、最大300万円の支援金と独自支援策だけで生活再建を図るのは、やはり困難なのが実状だ。

 生活者自らが災害による損害を抑える対策を講じても、防ぎきれないこともある。だからこそ、そのときの損害をお金でカバーできる火災保険・地震保険は、私たちがその後の暮らしを守るための危機管理策として、欠かせない手段である。

 住まい取得時には長期かつ多額の住宅ローンを組むことが一般化している現在、住宅ローン返済中の世帯は、被災による家計ダメージに特に留意が必要だ。住まいを失う一方でローン返済が残り、さらに新居を確保すれば、住居費の二重負担が発生する可能性がある。住まいを失った後に資金調達が難しい年金生活者も、各種災害を確実にカバーできる保険の必要性がより高い。

 ところが、地震保険および水害等をカバーできる火災保険等への加入はいずれも6割台に過ぎず、住所地の災害リスクを誰もが適切にカバーできているとは言えない。

 それどころか、住所地の災害リスクの把握が進んでない実状もある。最近のある調査によると、ハザードマップを確認し、自宅付近の水害リスクを把握している人は3割未満だった(損保ジャパン日本興亜「ハザードマップに関するアンケート調査」2018年7月)。

 今回、岡山県倉敷市真備町の実際の浸水被害が、洪水ハザードマップで予測された浸水域とほぼ同様だったことから、ハザードマップ確認の重要性が改めてクローズアップされている。ハザードマップは国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」、あるいは市区町村のHPで確認できる。

 ひとたび被災すれば、家計が被る影響は計り知れない。私たちに災害を食い止めることはできないが、お金の準備は事前にできる。被害想定を踏まえ、契約している火災保険が想定される被害をカバーできる補償内容となっているか、さらに、受け取れる保険金が最大いくらなのかについてもしっかり確認しておきたい。

 今回被災された方で、浸水や土砂災害といった水害による損害が補償される火災保険に加入している場合は、代理店や保険会社に連絡して、確実に保険金を受け取っていただければと思う。被災で火災保険の契約の有無や連絡先不明で困っている場合には、日本損害保険協会の「自然災害等損保契約照会センター」で契約照会ができる。災害救助法が適用されている地域で被災された方が利用できるのでぜひ問い合わせてみてしてほしい(自然災害等損保契約照会センター 0120-501331 受付時間9:15~17:00。土・日・祝日および12月30日~1月4日を除く)。

(生活設計塾クルー 清水 香)