危険になってから逃げたのでは、間にあわない時代になっているとわかっていただけるのではないでしょうか?都市部でも24時間前から、危なくなくても避難しなければいけないのです。地方で、早めに避難しても全く恥ずかしいことではないと、イメージの転換をお願いしたいです。

 兵庫県立大学防災教育研究センター長の室崎益輝教授によると、コミュニティで声をかけあって避難しあう「コミュニティ避難」を勧められています。子育て世代の方も、今回の豪雨で避難するとき、声をかけあったとお聞きしています。ひとりだと不安ですものね。みんなで早めに避難しようと決めておくのはいいですよね。

 過去に被災された地域の方が経験を生かし、声かけによって明るいうちに避難して助かった事例も報告されています。明るく、雨もひどくなければ車の使用も可能です。体が不自由な方の避難の方法も多数選べます。

 避難方法、避難場所をあらかじめ地域で考えておいてこそ、災害時、実効できる可能性が高いです。以下は、5日の段階で声かけをして避難されたので、大きな被害はあったものの、人的被害はなかった地域の記事です。


光兼集落で長年建築業を営む山口正義さん(67)によると、地区では83年の台風襲来時、電話が不通になったため、アマチュア無線を駆使して住民同士で密に連絡を取り合い、被害の確認に当たった。今回は5日から携帯電話で「雨が強くなりそうだから明るいうちに避難しよう」などと声を掛け合ったという。
山口さんは「けが人もいなかったのは幸い。地域の絆で助かった」と話した。

■過去の災害教訓に 早めの避難で命守る
三好・河内地区 人的被害なし(徳島新聞)
http://www.topics.or.jp/articles/-/71793


 他方で、我慢大会が存在したということもお聞きしています。大雨特別警報がでている地域の消防団で、消防団員は自宅待機の指示。裏山が崩れそうになったので避難したら、なぜ逃げたのかと後に非難されたという話も。

 このような地域では、人が死ななければ対策を取れない事になってしまいます。津波対策同様、空振りを恐れずコミュニティで避難を考える地域が増えればと思います。それは逃げではなく、戦略的な攻めなのではないでしょうか?