スシローとすかいらーくの共通点は「のれん代」だった写真はイメージです Photo:PIXTA

『週刊ダイヤモンド』2018年8月11・18日合併特大号の第一特集は「2018年版 決算書100本ノック!」。特集の発売に合わせた特設サイトでは過去の財務特集の人気記事や漫画などを無料で公開。今回は2018年4月21日号「マンガと決算書でわかる 会社のしくみ」から、「スシローとすかいらーくの意外な共通点 LBOで膨らむのれんと借金」を紹介。一見地味な外食企業でも実はのれんが巨額な企業がある。他社を買収するだけがのれんの生まれ方ではない。ここでは、のれんの少し“上級編”の話を紹介しよう。(掲載される数字や情報は全て雑誌発売時点のもの)

 借入金やのれんが多い会社と言われて、あなたはどんな会社を想像するだろうか。きっと、派手なM&A(企業の合併・買収)をバンバン繰り返すような、“お買い物好き”の会社を連想するかもしれない。

 確かに外食産業では、コロワイドやゼンショーホールディングスなど、積極的なM&Aを活用して成長している企業も存在する。ところが、そうした好戦的なM&Aの印象が薄いにもかかわらず、借入金やのれんが巨額の会社がある。

 回転ずしでおなじみのスシローグローバルホールディングスだ。

 スシローの決算書を見ると、2017年は、総資産1256億円のうち、なんと約7割に当たる840億円がのれんとブランドだ。負債は938億円で、そのうち489億円が借入金となっている。

 M&Aを仕掛けてきたわけでもないスシローのバランスシート(BS)が、なぜこれほど膨らんでいるのか。

 その理由は、かつてスシローを買収したファンドが行った、「レバレッジド・バイアウト(LBO)」という仕組みにある。