これがファーストリテイリングが展開する「ユニクロ」のECとでは意味が全然違う。ユニクロは製造小売業(SPA)であり、商品アイテム数もしまむらほど多くはない。

 定番の商品はそれほど頻繁に入れ替えがなく、消費者も大体、ユニクロの商品を分かっている。だからこそ、店頭で商品を見定めて、ECで購買するという消費行動が定着している。

 ユニクロのような高粗利益率のSPAならまだしも、仕入れ型のしまむらは高額な手数料を払ってショッピングサイトに出店することで、逆に儲けが少なくなり、取り組む妙味がないのである。

 しかも、しまむらのような低価格の衣料品を扱うサイト、いわゆる「プチプラ(プチプライス)」はネット上に林立している。ストアブランドが確立しているだけのしまむらは、店舗を持たないプチプライス業者に対し競争優位ともいえないのだ。

「しまむら」ブランドの店舗だけでも全国に1400店舗以上もあり、かなりのカバー率である。他の買い物ついでに、しまむらの店舗に行った方が早い。

 しまむらが目指すべきデジタル化は、ドンキのように、店舗に来店する顧客をサポートするようなデジタルの仕組みだったのではないだろうか。

 ドンキがやろうとしているような、店舗で商品のタグにスマホをかざすと対象商品のコーディネート画像が表れたり、決済の短縮化やポイント戦略など「売り場においてスマホを徹底的に活用した販売促進策などであり、スマホとの親和性を図るべきだったのではないか」(流通コンサルタント)という指摘もある。

 図らずもデジタル戦略で出遅れたといわれる、デフレの寵児2社。

 業態は違うが、同じ低価格商品の品ぞろえ型というビジネスモデルという共通項でいえば、将来のデジタル戦略では決定的に違いが出てきたのは確かだ。