5万トンが行き場を失う

 影響は甚大だ。使用済みペットボトルでいえば、中国の代わりにマレーシアやベトナムなどのアジア諸国が受け皿となっているものの、今年1~6月の輸出量は約7万トン(フレーク状のくずのみ)と、昨年同期比で4割も減っている。つまり、約5万トンのペットボトルが国内に残ったということだ。

 翻って飲料業界では、昨年から空前のペットボトルコーヒーブームが到来している。中身が見える安心感とスタイリッシュな見た目が消費者に受けたからこそ各社がこぞって販売したわけだが、「本当にペットボトルのごみがあふれるような事態になったら、自主規制も含め、業界全体で対策を取らざるを得ない」(飲料業界関係者)。

 むろん、国も無策ではない。環境省は廃プラ処理の実態を解明するべく、目下アンケート調査を実施中だ。すでに具体的な対応も行っており、昨年11~12月には、国内の廃プラリサイクル設備の導入費用に対して補助金を給付するため、事業者を緊急公募した。

 今年度も引き続き補助金は出る方向だが、飲料業界は差し当たり、残暑が続く秋までの需要期を何事もなく越せるかどうかを、固唾をのんで見守ることになる。

 ただペットボトルにお株を奪われたスチール缶やアルミ缶メーカーにとっては、ここは営業のしどころ。素材間競争がますます熱くなりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)