「このところの災害続きの影響か、顧客や取引先からの問い合わせに加え、ネット検索などウェブ上での関連動向も増えています」(安藤氏)

 延べ床面積が1000平方メートル以上で不特定多数の人が出入りする施設、例えば病院や介護施設、ホテル、百貨店、劇場、博物館などに対しては、非常用発電機を定期的に点検することが法令で定められている。

 それも、ただ非常用発電機を回してみるだけではダメで、外部電源に頼らずエレベーターなどを動かしてみたり、前述した試験機で負荷をかけたりする方法で、非常時に確実に作動するかチェックしなければならない。

 実は、全国の施設に設置された非常用発電機の多くは、こうした適正な点検が行われないままになっており、大規模災害時に、多数の非常用発電機が一斉に故障するリスクがあるといわれている。

都内15の主要公共施設のうち
法定点検クリアは1台だけ

 週刊ダイヤモンド2017年3月18日号に掲載された「東日本大震災の教訓はどこへ 作動しない非常用発電機の恐怖」、またダイヤモンド・オンラインに掲載された「非常用発電機が動かない!ずさん点検恐怖の実態」では、そんな実態に警鐘を鳴らし、国会の総務委員会で取り上げられるなど大きな反響を呼んだ。前出の安藤氏も指摘するように、頻発する災害を受けて、一部に関心の高まりも見られる。

 だが残念なことに、その後も日本中の多くの施設において、非常用発電機の防災対策はおざなりなままのようだ。『西日本新聞』は2017年12月3日付の記事で、「福岡市の公共施設の8割が負荷運転について『基準違反』の状態にある」と報じた。

 筆者の手元にも、東京都内の15の主要な公共施設に関する資料があるが、これらに設置された約20台の非常用発電機のうち、法定点検をクリアしているのはたった1台だけ。自治体がこのありさまなのだから、民間施設については推して知るべしだろう。