「自走するメンバー」を育てるコツ

 そして、1on1ミーティングにおける鉄則は、「話す」より「聞く」ということです。これは非常に重要なポイントです。なぜなら、メンバーには「自分の頭で考える人材」になってもらわなければならないからです。

 自分の頭で考えたうえで、マネジャーを通して組織とコミュニケーションを取りながら、「なすべきアクション」を確定させ、それにまい進する。そんな「自走するメンバー」が何人いるかで、そのチームの生産性は決定づけられます。

 現代のように、ビジネス環境が刻々と変化する時代には、上意下達だけでは環境変化に即応するのは不可能です。環境変化を最もダイレクトに感じている現場のメンバーが、自分の頭で対応策を考えて、組織的な意思決定を勝ち取り、実行に移すというサイクルを最速にすることができなければ、生き残ることすら難しくなるでしょう。

 そして、あらゆる会議は、そのような「自分の頭で考える」メンバーが集まって、知恵を出し合うことで、よりよいアイデアを生み出し、よりよい意思決定を生み出すことにこそ意味があるのです。つまり、「自分の頭で考える」メンバーを増やすことこそが、「会議の品質」を高める必須条件であるというわけです。

 そのためには、1on1ミーティングで、「自分の頭で考えたこと」を話してもらうことを徹底すべきです。だからこそ、マネジャーは「話す」より「聞く」ことが大切なのです。