したがって、もちろんかなり時間がかかるとはいえ、今後は発電所の地域的な分散という地理面での多様化も進めることが、必要なのではないでしょうか。

“同時同量”の維持がいかに大変か
電力会社の調整は実はかなり大変

 3つ目は、“同時同量”の大変さです。

 日本で初めてのブラックアウトが起きてしまった原因は“同時同量”を維持できなかったから、つまり電力需要と比べて発電量が大きく低下したからですが、重要なのはブラックアウトが起きるのは「電力需要>発電量(電力供給)」という場合に限らないということです。

 “同時同量”を維持できないとブラックアウトが起きるのですから、「電力需要<発電量(電力供給)」、つまり電力需要よりも発電量が大きくなり過ぎた場合にも、やはりブラックアウトが起きるのです。

 この当たり前の事実からわかるのは、太陽光や風力といった再生可能エネルギーを増やせば電力の安定供給も大丈夫とはならないということです。

 太陽光発電は太陽が出ているときしか発電できません。風力発電だって風が吹いているときしか発電できません。資エ庁が原発事故の後に高過ぎる買い取り価格を設定したために、日本中で多くのメガソーラーが誕生しました。

 それ自体は発電量に占める再生可能エネルギーの割合を増やすためには有益と評価できますが、同時に、大容量の電気を貯める蓄電池の技術がいまだ進化途上の現在は、それが“同時同量”の維持を通じた電力の安定供給に資するわけではないのです。

 実際、あまり知られていませんが、今年の5月3日に九州ですごいことが起きました。昼の時間帯に、太陽光発電による発電量が九州の電力需要の81%の水準にまで達したのです。

 当然のことですが、九州電力は火力発電所などを常に稼働しており、太陽光発電の発電量が多いからといって、それらの発電所の稼働を一時的に止めることなどできません。つまり、一時的に発電量が電力需要を大きく超過する事態になってしまったのです。