4大大会の長い歴史
そこに名を連ねることの名誉

 ところで、テニスの試合を観慣れない人にとっては、4大大会を勝つことの大変さが今ひとつ実感できないのではないだろうか。大坂を特集したテレビ番組では、サッカーW杯で優勝したぐらいの快挙などと他のスポーツに例えて、凄さを表現していた。達成する難しさや感動の度合いでは、その例えも頷けるが、どこかニュアンスが異なる。そこでいくつかの角度から、4大大会で優勝することの凄さを見ていくことにする。

 テニスの4大大会に共通するのは歴史の重みが持つ価値だ。なかでも最も長い歴史を持つのがウインブルドン選手権。数多くのスポーツの発祥国であり、競技大会が開かれるようになったのはイギリスだが、そのイギリスでも伝統を誇るスポーツイベントとして特別視されているのがウインブルドン選手権、全英オープンゴルフ、ヘンリー・ロイヤルレガッタ(これにロイヤルアスコットで行われる競馬を加える説もある)。この3大イベントのうち最も歴史があるのはヘンリー・ロイヤルレガッタで第1回が行われたのは1839年だ。これに次ぐのが全英オープンゴルフで1860年から、ウインブルドン選手権は1877年に始まっている(当初は男子だけの大会で、女子の競技が行われるようになったのは1884年)。140年あまりの歴史があるのだ。

 残る3大会も同様で、第1回大会が開催されたのは全米が1887年、全豪が1905年、全仏が1928年。いずれも1世紀前後の歴史を持っている。

 どの大会も当初は開催される国の国内選手権の色あいが強かったが、交通の発達によって海外の選手が参加するようになり、レベルは上がり優勝者の名誉も大きくなった。また、1968年にプロの参加が認められ、伝統と格の重さに見合った高額賞金が設定されるようになった。現在の男女シングルスの優勝賞金は全豪が約3億2000万円、全仏が約2億9000万円、ウインブルドンが約3億4000万円、全米が約4億円だ。

プロ選手は世界で1万4000人
1年にたった8人だけが優勝者

 テニス選手にとって4大大会の頂点に立つことは長い歴史に名を連ねる名誉と高額賞金の両方を手にすることができる究極の目標なのだ。当然、その座を巡る競争は激しい。テニスの競技人口は世界で1億人を超えるといわれる。これはバスケットボール、サッカー、クリケットについで第4位の競技人口だ。